台湾、金門島の続き。
碧山を出たときにはもう日が傾いて来ていたが、最後にあと1ヶ所、山后まで行ってみよう。
ここには伝統民居の建ち並ぶ集落を丸ごと保全した民俗文化村がある。雰囲気はわからないが行ってみると、
観光バスが乗りつけている。あぁ、やっぱりテーマパークっぽい感じか。その施設の裏手に普通の集落が見えたので
先にそちらを回ってみることに。
山麓に沿って家々が数段並んでいる。ずっと奥まで入って行くと、井戸のある辻に出た。洗い場も作られていて
村人が共同で使っていたのだろうな。井戸端会議に花が咲いたに違いない。
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さらに入って行くと、おおっ、あれはタイルだ。広場に面してきれいな閩南式の民居が建っていた。
近寄っていくと、その入口の両脇にタイルがみっしりと貼ってある。おぉ、これは華やかだ!
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・・・しかし、何かちょっと質感が違うな。チューブライニングの線が、手描きで描いたような線で、尖っているのだ。
雷文タイルも同じく。それに色の塗り方にむらがありすぎる。これは・・・日本製ではないな。レプリカか。
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日本から輸出されたマジョリカタイルは、明治41年に開発された乾式製法で、モールド(型)を使って作られている。
イッチンで手描きしたものはないし、型も手作りではない。完成された工業製品なので均質である。
これは見よう見まねで手作りしたもののように見える。おそらく先の尖った針のようなもので模様の線を描いて型を
作ったのだろう。そして色も手で塗っている。
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しかし・・・レプリカの方が逆に、日本製のマジョリカタイルよりもずっと手が込んでいるのだ。これはどちらに
価値があるだろうか。
中国製らしきこのタイルはもちろん稚拙な技術で粗雑なつくりであり、日本製の質にははるかに及ばないが・・・
マジョリカタイルの貼られた伝統民居が建ち並ぶ景観が金門島の原風景であり、自分の家もそれらしく飾りたいと
願った住民がこのレプリカタイルを作って貼ったのだとすれば・・・それはニセモノと一蹴できるだろうか。
ちょっと考えさせられるなぁ。
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そのあと民族文化村へ行ったら少しは人が減っていたのでゆっくり場内を歩いてみる。
ここでも山に向かって等高線に平行に、段々に家が建ち並んでいる。
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さっきの裏の集落とは違い、横の通路よりも縦の通路が明確に通っている。雨が降ったときに山から水が流れやすく
作られているのだろうか。通路にはレンガかまぼこ型に敷き詰められていた。
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土産物屋や飲食店になっている最下段の建物を除き建物は空き家で人は暮らしておらず、いい雰囲気ではあるが
やっぱり生活の香りのする場所の方が楽しい。タイルも見当たらなかったな。。
違う道を通って戻ろうと走っていると、大きな岩山の中腹に大きな亀甲墓が見えたのでちょっと寄り道。
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遠くからカラフルに見えたのは、いろんな種類の花崗岩の六角形の板をみっしり敷き詰めてあるのだった。
何だろうこれは。石材屋さんのお墓か!?
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戻る途中の西山前という集落に立ち寄る。ここも李氏家廟のある古い集落でなので洋楼やタイルがあるかもしれないと
思ったのだが、やっぱりあった!
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ま、ごくわずかだが(笑)
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やはり家なみは立派だ。間違いなく李家だろうな。この燕尾の重なり、ため息が出るほど美しいなぁ。
棟の端が丸い妻壁になったものを馬背と言うのに対し、このように尖ったものは燕尾と呼ばれる。どちらも
伝統的な閩南様式だ。
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ここのファサードは一見タイルに見えるがそうではなく、赤い磚に顔料で着色したもののようだ。卍くずしにひょうたん。
おそらくマジョリカタイルが入ってくる以前はこのような装飾が施されていたのだな。
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さて、もう戻ろう。水頭から一番遠い対角の端まで来たわけだ。よく一日でここまで来れたな!
帰りに、老屋顔の楊さんお勧めの高坑牛肉店で、牛肉麺を食べる。ちょっと早いが晩ごはん。
肉屋さんも併設していて(というか、肉屋に食堂が併設されているのだ)新鮮な牛肉を食べられるとあって車がいっぱい。
かなりの人気店だな。
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1人でもお店の人は嫌な顔もせず歓迎してくれて、手ごろな値段でおいしい牛肉麺を食べることができて満足!!
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リボン形をした金門島のいちばん細い部分を横断して南側の海岸へ出てきた。
成功という場所にある「陳景蘭洋楼」を見ようという思惑。洋楼は高台にあり、今までに金門で見たどの洋楼よりも大きく
本格的な造りである。公開されているようだが、もう閉まっていた・・・残念。
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陳景蘭はシンガポールとインドネシアのベリトゥン島で財をなし、1921年に故郷にこの洋楼を建てた。
中国風の建物の前面にテラスやベランダを取り付けただけの「擬洋風」とは違い、シンガポールで見た
イギリス仕込みの本格的な洋館を手本にしたものだろう。
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ここから見える長く美しいビーチには、中国軍の上陸を阻止するためのトゲトゲの杭が水際に打ち込まれている。
果たして本当にこれで阻止できたのか疑問ではあるが、、、「戦地」金門島を象徴する風景として残されている。
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そしてその近くには「成功海防坑道」という施設もあった。ここももう夕方なので閉まっていた。
今では無人で緊迫感はないが、トーチカなどの戦争遺産が島内いたるところにあり、南国の青空とはうらはらな
金門島の辛い歴史を今に伝えている。
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この日は杭のあるビーチのすぐ横で、何かのフェスをやっていて、多くの車、バイク、人が集まっていた。
すごい賑わい!!平和な時代になってよかったなぁ。
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続く。
碧山を出たときにはもう日が傾いて来ていたが、最後にあと1ヶ所、山后まで行ってみよう。
ここには伝統民居の建ち並ぶ集落を丸ごと保全した民俗文化村がある。雰囲気はわからないが行ってみると、
観光バスが乗りつけている。あぁ、やっぱりテーマパークっぽい感じか。その施設の裏手に普通の集落が見えたので
先にそちらを回ってみることに。
山麓に沿って家々が数段並んでいる。ずっと奥まで入って行くと、井戸のある辻に出た。洗い場も作られていて
村人が共同で使っていたのだろうな。井戸端会議に花が咲いたに違いない。
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さらに入って行くと、おおっ、あれはタイルだ。広場に面してきれいな閩南式の民居が建っていた。
近寄っていくと、その入口の両脇にタイルがみっしりと貼ってある。おぉ、これは華やかだ!
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・・・しかし、何かちょっと質感が違うな。チューブライニングの線が、手描きで描いたような線で、尖っているのだ。
雷文タイルも同じく。それに色の塗り方にむらがありすぎる。これは・・・日本製ではないな。レプリカか。
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日本から輸出されたマジョリカタイルは、明治41年に開発された乾式製法で、モールド(型)を使って作られている。
イッチンで手描きしたものはないし、型も手作りではない。完成された工業製品なので均質である。
これは見よう見まねで手作りしたもののように見える。おそらく先の尖った針のようなもので模様の線を描いて型を
作ったのだろう。そして色も手で塗っている。
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しかし・・・レプリカの方が逆に、日本製のマジョリカタイルよりもずっと手が込んでいるのだ。これはどちらに
価値があるだろうか。
中国製らしきこのタイルはもちろん稚拙な技術で粗雑なつくりであり、日本製の質にははるかに及ばないが・・・
マジョリカタイルの貼られた伝統民居が建ち並ぶ景観が金門島の原風景であり、自分の家もそれらしく飾りたいと
願った住民がこのレプリカタイルを作って貼ったのだとすれば・・・それはニセモノと一蹴できるだろうか。
ちょっと考えさせられるなぁ。
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そのあと民族文化村へ行ったら少しは人が減っていたのでゆっくり場内を歩いてみる。
ここでも山に向かって等高線に平行に、段々に家が建ち並んでいる。
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さっきの裏の集落とは違い、横の通路よりも縦の通路が明確に通っている。雨が降ったときに山から水が流れやすく
作られているのだろうか。通路にはレンガかまぼこ型に敷き詰められていた。
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土産物屋や飲食店になっている最下段の建物を除き建物は空き家で人は暮らしておらず、いい雰囲気ではあるが
やっぱり生活の香りのする場所の方が楽しい。タイルも見当たらなかったな。。
違う道を通って戻ろうと走っていると、大きな岩山の中腹に大きな亀甲墓が見えたのでちょっと寄り道。
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遠くからカラフルに見えたのは、いろんな種類の花崗岩の六角形の板をみっしり敷き詰めてあるのだった。
何だろうこれは。石材屋さんのお墓か!?
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戻る途中の西山前という集落に立ち寄る。ここも李氏家廟のある古い集落でなので洋楼やタイルがあるかもしれないと
思ったのだが、やっぱりあった!
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ま、ごくわずかだが(笑)
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やはり家なみは立派だ。間違いなく李家だろうな。この燕尾の重なり、ため息が出るほど美しいなぁ。
棟の端が丸い妻壁になったものを馬背と言うのに対し、このように尖ったものは燕尾と呼ばれる。どちらも
伝統的な閩南様式だ。
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ここのファサードは一見タイルに見えるがそうではなく、赤い磚に顔料で着色したもののようだ。卍くずしにひょうたん。
おそらくマジョリカタイルが入ってくる以前はこのような装飾が施されていたのだな。
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さて、もう戻ろう。水頭から一番遠い対角の端まで来たわけだ。よく一日でここまで来れたな!
帰りに、老屋顔の楊さんお勧めの高坑牛肉店で、牛肉麺を食べる。ちょっと早いが晩ごはん。
肉屋さんも併設していて(というか、肉屋に食堂が併設されているのだ)新鮮な牛肉を食べられるとあって車がいっぱい。
かなりの人気店だな。
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1人でもお店の人は嫌な顔もせず歓迎してくれて、手ごろな値段でおいしい牛肉麺を食べることができて満足!!
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リボン形をした金門島のいちばん細い部分を横断して南側の海岸へ出てきた。
成功という場所にある「陳景蘭洋楼」を見ようという思惑。洋楼は高台にあり、今までに金門で見たどの洋楼よりも大きく
本格的な造りである。公開されているようだが、もう閉まっていた・・・残念。
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陳景蘭はシンガポールとインドネシアのベリトゥン島で財をなし、1921年に故郷にこの洋楼を建てた。
中国風の建物の前面にテラスやベランダを取り付けただけの「擬洋風」とは違い、シンガポールで見た
イギリス仕込みの本格的な洋館を手本にしたものだろう。
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ここから見える長く美しいビーチには、中国軍の上陸を阻止するためのトゲトゲの杭が水際に打ち込まれている。
果たして本当にこれで阻止できたのか疑問ではあるが、、、「戦地」金門島を象徴する風景として残されている。
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そしてその近くには「成功海防坑道」という施設もあった。ここももう夕方なので閉まっていた。
今では無人で緊迫感はないが、トーチカなどの戦争遺産が島内いたるところにあり、南国の青空とはうらはらな
金門島の辛い歴史を今に伝えている。
Image may be NSFW.
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この日は杭のあるビーチのすぐ横で、何かのフェスをやっていて、多くの車、バイク、人が集まっていた。
すごい賑わい!!平和な時代になってよかったなぁ。
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続く。