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Channel: まちかど逍遥
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金門島でタイル三昧 陽翟 Yangzhai

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台湾、金門島の続き。

沙美から碧山へ向かってスクーターを走らせる途中、陽翟という集落を素通りしかけたが、マップに家型のマークがついているのが
気になって、ちょっと引き返す。何もないかもしれないが、まぁ何かあったとしたら素通りしたら後悔するから・・・と
畑の中の坂道を降りていくと、大屋根が見えた。あ、あれは修復待ちの屋根じゃないか。
果たして近寄ってみると、大屋根に覆われていたのは、洋楼だ!!おぉ~~


洋楼の前に閩南建築の棟が建っていて、その入口付近の軒下にタイルが貼られていた。


入口は開いていて建物の様子を覗くと、つっかえ棒がしてあったりかなり老朽化していて危険そう。。。
入るのはやめておこう。




ここでは、同じ柄をずらっと並べるのではなく、違う柄のタイルを一枚ずつ左右対称に並べて貼っている。




そして中庭を挟んだ奥に2階建ての洋楼が建っている。見たところ奥の洋館にはタイルは見当たらなかった。


その後ろにもう1つ小さな洋楼があるようで、それら一群すべてが屋根で覆われている。
予算がつき次第修復工事を着手するはずだ。あと少しの辛抱~~~


金門島では、日本で洋館併設住宅や洋室付住宅があるのと同じように、閩南の伝統的な合院式民居の中の一棟が
洋楼になっていたり、部分的に洋風になっていたりというバリエーションがある。そしてマジョリカタイルが
伝統民居にも洋楼にもどちらにも使われているというのが面白い。
もともと赤い磚による装飾や手描きの絵などで飾られていたであろう伝統民居の壁や軒下に、日本のタイルが
すっぽり納まった。洋楼にもちゃんとタイル用のスペースを作ってはめ込んだ。
日本ではそんな使われ方をしていないマジョリカタイルを、いちばん最初に誰が台湾に持ってきて、伝統民居に
貼ることを勧めたのか。そしてどのようにして台湾中に広まったのか・・・とても興味深い。

集落内を歩く。ここでも人字積みや布積みの美しい石壁が見られる。




シンガポールで見たようなスイングドアのついた扉。




石積みの間に平瓦を詰め込んだような壁。これまで見た「出磚入石」よりも石の割合が多く、「出石入磚」と
言うんだろうか!?(笑)


歩いていくと、「蒋総統萬歳」と書かれた塀に出くわした。何これ?蒋総統って蒋介石のことだろう。
今だにこんな文字が消されずに残っているのか!?


少し先へ行くと商店街のようなところがあった。なんだかやたら雰囲気があるが、、、


いやいくらなんでもこの看板はレトロすぎるな。それにどのお店も商売をしている気配がない。


やっぱり映画のロケ地だ。しかし台湾の路地裏を歩くと実際にありそうなまちなみで、現代とのギャップは少なめ(笑)


この映画館の建物だって、さっき見た沙美戯院と大して変わらないじゃないの!?(笑)


台湾から帰ったあとに、軍中楽園という戦時中の金門島を舞台にした映画を見てきたが、あぁここで撮影されたのか、と。
あらためて写真を見返すと、映画の中で賑わっていたまちはガラーンとしてちょっと寂しいなぁ。ロケ地は寂しい。


ふと思いついて立ち寄った陽翟集落だったが、マジョリカタイル物件も1件見つけたし、面白い風景を見ることができた。
素通りしなくてよかった~~!

続く。

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