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Channel: まちかど逍遥
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坂出人工土地とやなぎ湯

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坂出の続き。

坂出人口土地なるものがあると聞き、駅からすぐ近くのようなので坂出散策の最後にさらっと見に行くことにした。
「人工土地」ってなに!?埋立地のこと??丘陵地の造成とは違うのか??それにしても街のど真ん中じゃないか。
よく理解しないまま、グーグルマップで示された場所へ行ってみると・・・あれか?


一見よくある低層部に商店が入った複合施設だが、その上がちょっと普通の建物とは様相が異なっている。
低層の集合住宅がいくつか独立して建っているようなのだ。


どこから入るのだろう。うろうろと探すと表通りの端の方にトンネルのような駐車場の入口があった。
上には木が生えているのが見える。あぁ、これが人工土地なのか。


建物の陰にひっそりと、上の住民の自転車用と思われる小さなスロープがあった。
木の幹のような柱と格天井のような梁が入ったピロティの駐車場を眺めながらスロープを上っていく。そして屋上へ・・・


・・・おぉ??そこにはちょっと面食らう光景が広がっていた。
2階建てから4階建ての小規模な住棟がランダムに建てられ、建物の隙間は不整形な通路や緑地になっている。


住棟の前の植栽は雑然と育ち、物干し竿が出され、上空には電線が飛び交っている。コンクリート平板の敷かれた
敷地内通路はつぎはぎだらけ、空きスペースに車がちょいと停めてある、といった具合で、くたびれ具合も
含めてまさによくある昭和の団地そのもの。


これは確かに「土地」だ!!正直衝撃的だった。
歩いていると、ここが地表から数メートル浮き上がった場所であることを完全に忘れてしまう。
敷地の一部にあるホールの上には階段状のテラスハウスのような住戸も作られている。


公民館などの公共スペースもあり、なんと祠まであることには驚く!!支柱は幕を張るためのものだろうか。
地蔵盆などの行事も行われているのか。


とても興味深く、面白いのだが、生活感あふれる人工土地上の空間はまたプライベート感に包まれており、
裏路地に入り込んだときのような心もとなさ、後ろめたさを感じる。。。部外者がうろうろしていると通報されそう
なので(苦笑)、あまり長居せず通り抜けよう。


裏側には道路から直接車を乗り入れるスロープが作られていた。学校帰りの子供もこのスロープを歩いて上っていた。


正式名は「坂出市営京町団地」。1962(昭和37)年に構想、大高正人の設計により1968(昭和43)年に着手、
1986(昭和61)年に完成。下層部の道路沿いに店舗、裏側に駐車場、人工地盤の上に居住スペースを独立して建てるという
斬新な実験的事業は市街地開発の新たなモデルとして当時大変注目されたらしい。

あとからネット検索したところ、この坂出人工土地を造るに至った経緯や当初の設計内容、そして実際にぶち当たった
諸問題などを分かりやすく書かれた文章を見つけた。→こちら


斬新なアイデアと画期的な手法で計画され遂行された事業だが、斬新すぎて周りがついて行けない面があったことが
よくわかった。その中でインフラを通常の土地と同等にし、将来建物の建替えも想定して作られたというのはすごい。
なぜ店舗つき中高層集合住宅ではだめだったのかも合点がいった。


高度成長期あたりに作られた他の団地は順次建替えが進んでいるが、さてここではどうするのか。準備していた通り
現住棟を解体して建替えるのか、それとも・・・?
私的には、当時の想定に沿って人口土地上での建替えを実施してほしい。高い理念を持って計画されたこの人工土地は
あくまで土地としての可能性を更に追求し、進化しながらまた50年使い続けてほしいなぁ。

坂出人工土地の滞在時間約10分(笑)。しかしすごく面白かった!

今宵の宿のある丸亀へ移動する前に、やなぎ湯で汗を流そう。イオンの向かいという好立地で、お買い物後の
リフレッシュにも最適(笑)。


現在の坂出のいちばん繁華街の一角で、この風情を保っているのは貴重!


入口のドアのある壁と男女別のドアのある壁が二重構造になっていて、その間の細い通路の突き当たりがトイレ。
こういう構造はめずらしいな。




中も生粋のレトロ空間。丸亀の宿は狭いユニットバスだろうから、ゆっくりのんびり、リラ~ックス!

あぁさっぱりした~~

続く。

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