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Channel: まちかど逍遥
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鶴岡 新茶屋 1階大広間の奇妙な意匠

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6月の新茶屋の続き。

池に面した1階の大広間は実に135畳、250名の大宴会が可能。


そこにはギョッとするような意匠も。
お庭に面した広縁と広間の間の欄間には、まるでクッキー型で抜いたような穴がどかっと開いている!?
なんだこれは!こんな大胆な欄間見たことない。


こちらは松の形の、穴!?う~ん、奇妙~~~


よく見たら下地窓風に凝っているが・・・穴(笑)


大広間は4つの部屋をつなげた空間で、少人数なら建具を入れて仕切り、小部屋として使うのだろう。
その、部屋を区切る柱に、こんなデカイ蝶がベタッとくっついている!!いや、蛾みたいじゃないの!?
これはいったいなに!?戸当たり部分はわざわざ凹みを作ってある。


こっちは戸を閉めないのか、凹みがない。この蝶が柱ごとに向かい合って止まっているのだ。ひぇ~~~
見たところ漆塗りのようで、黒、赤、黄土色・・・などいろんな色の蛾、いや、蝶がいる。
まったくこれには度肝を抜かれた!


各部屋の欄間は繊細な透かし彫り。


幅の広い床の間はまたワイルドでダイナミックな床柱が使ってある。長押も天然の湾曲した材が利用されている。


床の間の地板には、表面を焼いてちょうなで削ったような材を。縞模様が浮き出して派手な感じ。


反対側を見ると、こちらは対照的におとなしい。


この隣にもうひとつ小座敷があった。縁のない土壁、丸木や竹を使った意匠で、お茶室のような部屋。


床の間の落としがけや長押には四角い竹が使われていたり、入口戸の横には上が細くなった材が使われ、
それが普通の柱のように天井まで届かず壁の途中で止まっているのも不思議。




あっ、この欄間の模様、見たことあるぞ。源氏香文だな!霧島ホテルのショーケースの展示で見て知った。
組香という遊びで使われる記号がクールなデザインということで模様になったもの。
左から、御法、紅葉賀、行幸、少女、初音、にあたるようだが、このセレクトに意味があるのかどうかは
分からない。単に模様であって意味はないのかも。。


床の間は比較的シンプルだが、丸窓には天井の照明と似た網目モチーフが使われている。
この丸窓、まん丸でなく少し平たい。


天井は網代に組まれていた。


入口戸の上の欄間部分には竹で組んだ格子が。これも単純な長丸でなく、端が放物アーチっぽい形で
面白いなぁ。


続く。

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