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Channel: まちかど逍遥
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日本陶磁器センターを見る!

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名古屋の続き。

名古屋陶磁器会館を見学した後は、歩いて桜通りまで下り、日本陶磁器センターへ。
ここも以前外観は見ている。


こちらは名前の通り、名古屋のみでなく瀬戸や多治見を含め陶磁器産業全体の振興のために組織された、
日本陶磁器工業組合連合会(日陶連)の事務所や共同販売所として建てられたもの。最初に裏手ある旧館が
1934(昭和9)年に建てられ、桜通りの拡張に伴い旧館を曳き家で北側へ移し、桜通り沿いに新館が建てられた。


新館は1958(昭和33)年に完成しているが、各階の見付け部分に水平に貼られた海老茶色のタイルは何と
1978(昭和53)年のものらしい。意外!もう少し古いと思ってた。。。昭和40年代かと。
昭和50年代でもこんな焼き物の質感を生かしたカッコイイタイルを使ったんだな。
逆にまた、この水平連続窓のはしりのようなデザインが昭和33年というのも、早いな!


もてなしの場ではないのでエントランスホールもあっさりしているが、緩やかにカーブしながら下りてくる階段が。


まずは細い廊下を奥へ進むと、何度か曲がって裏口へ抜けた。知らぬ間に旧館を通り過ぎていたのか!


どこが境目だったんだろう!?来た道を戻りながら見て行くと、旧館の部分には味わいのあるボーダータイルが
貼られている。幅木の部分やドアの枠はトラバーチンだな!


きれいな色だなぁ!!


ちらっと見えたモザイクタイル。ここはどこだったっけ。男子トイレ!?(笑)


タイル貼りの階段を下りて地下室を見に行く。
床に鮮やかなモザイクタイルが残っていた!こんなところに!?
やはりこの狭くて陰気な地下空間をちょっとでも明るくするために貼ったのかな。


しかしこの建物、曳き家したんじゃなかった?どうやって地下室を曳き家するのか・・・?
何と、周囲を掘り下げて地下室の下から持ち上げ、北へ20m、東へ7m、移動させたのだという(驚)。
昭和33年にして、すごい技術。。。


アールになっている1階の廊下。


今度は、「リストランテ・アンティカ・ローマ」というイタリアンレストランの中におじゃまして、新館の地下室を見に行く。
現在はワインセラーになっていて、隠れ家みたいでとっても素敵な雰囲気。
イタリア直輸入の厳選されたワインを置いているそうで、ワイン好きの人にはたまらないだろうな!


1階は、新館部分はカジュアルなピッツェリアで、奥へ行くと旧館部分がピアノバーになっている。
間にはちょっとした廊下のような空間があるが、新館と旧館の境目を生かして作られた緩衝空間だ。
そこだけでもとってもおしゃれなコーナーになっている。


ピアノバーは戦前の近代建築のつくりを生かしたクラシカルな大人の空間。素敵~~

地下、新館、旧館とそれぞれの雰囲気をうまく利用してあるなぁ!
この建物は名古屋陶磁器会館とは逆に、用途に応じて間取りも内装も変更を加えフレキシブルに利用されて
いるのだと、ガイドの村瀬さんは言われていた。使う人ファーストな建物なんだな。

緩衝空間のドアから出ると・・・おや、さっきのボーダータイルの貼られた廊下に出てきた!(4枚上の写真)
このアールはあのアールの裏側だったのか。何だか一気に現実の世界に引き戻された。
ちなみに普通はここからお客さんは出入りしないので(笑)。


次はさっき気になっていた素敵なタイル貼りの階段を上って2階へ。




こんがりおいしそうなきつね色のタイル。ランダムな凹凸が釉薬たまりを作って味わい深い質感。


続く。

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