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Channel: まちかど逍遥
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徳島の三河家住宅 その1

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徳島に行ったのは、三河家住宅を見に行くのが目的だった。
三河家住宅は日本のタイル博物誌にも載っているめくるめくタイルの殿堂である。ここも数少ない徳島の
戦前建築。

徳島駅に着いた直後から降り出した雨は気まぐれに降っては止みを繰り返していたが、ランチの後
かなり本降りになってきた。。。
新町川沿いに歩いて行くと、周りのまちなみから完全に異質で、テーマパークの作り物のお城のような
複雑な形の屋根が見えてきた。黄色っぽい壁に赤い瓦、三角屋根の上には怪獣らしきものが載っている。
うわぁ・・・

これが三河家住宅か・・・存在感に圧倒される。

産婦人科医師の三河義行氏が1928(昭和3)年に建築した住宅。設計はドイツ留学中に知り合った
徳島の建築家木内豊次郎。関東大震災を教訓として耐震性に優れた鉄筋コンクリート造を採用しているが、
内外に手工芸的な意匠をふんだんに取り入れた表情豊かな建物である。


なんだ、この人工岩山は??冗談なのか本気なのか??謎めいている。。。


さっさと入るのがもったいない気がして、少し遠巻きに眺め、門を入ってからも全体を眺め、その威容を
いろんな角度から撮ってからようやく、左右の棟の内角にある玄関へと向かう。


おぉ・・・見上げると、2階に張り出したバルコニーの波打ったフォルムが優雅。
2階、3階の庇の裏まで抜かりなくレリーフが施されているのが見える。




隣の現在駐車場になっている場所に診療所があったが戦災を受け、戦後はこの建物の一部を診察室として
使っていたとか。三河医師が亡くなったあとは学生向けの下宿として使われていた時代もあったが
2007(平成19)年に国の重要文化財となった。
現在は徳島市の所有となり、一般公開に向けて改修計画中という。


かなり引っ張ったが(笑)いよいよ内部へ入ろう。
おぉ。。。半円形をした玄関の床は白と黒の大理石を組み合わせた市松模様・・・と思いきや、ひし形だな!
玄関ドアが引き戸なのもびっくり。


靴脱ぎ場の両脇に格子の入った腰掛台のようなものが。これは暖房だそうで、この中に火鉢を入れたとか。


玄関ドア上の半円形の窓。淡い色ガラスを組み合わせたステンドグラスがきれい~~!
2階のバルコニーへ出る扉の上にもこれと同じものがある。


そしてホールへ。。。うぉ~~~~~!!
このドアはどちらにも開くスイングドア。曲面のスイングドアというのを初めて見たかも!?
この建物は至るところに円弧が使われているが、こんな立体の曲面のドアを作るの大変そうだなぁ!


スイングドアの上にはステンドグラスのらんまが。これも曲面になっているな。


不整形な床に敷き詰められたモザイクタイル!じゅうたんのように模様で縁取りされている。




ラジエーターまでこんな美しい装飾グリルの中におさめるとは、三河医師は潔癖性だったと見える。


ホールの中央にぶらさがるロートアイアンの照明器具は元はガラスのカバーがあったのかな?
くすんだ色の天井や壁に光が当たって何とも言えない絶妙なニュアンスを醸している。


続く。

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