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Channel: まちかど逍遥
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秋田の建築めぐり2 旧秋田銀行本店

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秋田の建築めぐりの続き。

こちらが赤れんが館こと旧秋田銀行本店。うわぁ、ゴージャス!華やか!さっきの地味な日本銀行と真逆だな。
この建物は3年の工期を経て1912(明治45)年に竣工している。


2階は赤れんが、1階は白いタイル貼りの壁に男鹿石のボーダーが配された華麗な外観。
赤と白とグレーがくっきりコントラストをなし、ヒマラヤスギの緑も映えるなぁ!
両端に円筒形の塔屋を構え、スレート屋根の上に載ったドーマーウインドウがアイキャッチに。
あぁ、超美形!!まさに秋田美人!?


早速入ろう。一歩踏み込むと、、、うわぁ~~っ!


3階分ぐらいの高さの吹抜け天井に、宇宙を思わせるような大きな楕円を描いた漆喰レリーフが。
これらの装飾は、オリーブバンド、ダイヤパーパターン、卵舌文様、などバロック様式の数々の文様で
構成されている。
この建物の設計者は外部が山口直昭、内部が星野男三郎という人だそうだが、どちらも知らなかった(汗)
こんな格調高い古典の文様を明治時代に使いこなしていたってすごいな。


旧営業室の周囲の腰壁には深い緑色の蛇紋岩が惜しげもなく使われている。稲妻のようなヒビが美しい。


こんな形のラジエーター見たことない!傘立てみたいだ(笑)
各部屋に設置されたラジエーターにより、冬も部屋の中は21度に保たれていたという。


暖炉も装飾豊か。温かみのある灰色の石は福島県産のあられ石。


その奥には旧頭取室が。壁や天井に木材がふんだんに使われた落ち着いたインテリア。


ここの暖炉はまた違うデザイン。暖房はラジエーターによるので暖炉はほとんど飾りだっただろうが
部屋を格式づけるのに暖炉は必須のアイテム。


石は岐阜県産の白雲石と紅縞石だとか。茶色のヒビが入っているところなど、蛇紋岩と色違いのようだな!


こちらは書庫。あっ、ここにはタイルがある!
腰の高さまで貼られているのは、蛇紋岩を模した擬石タイルだ!しかも各種役物まで。


表の営業室の雰囲気をタイルで安価に再現したといったところか。いや、タイルでも結構なコストのはずだ。
人目に触れない完全なバックヤードにまでこんなにこだわっているとは。。。


この奥には金庫室。


2階へ上がると廊下から吹き抜けの営業室を俯瞰できる。


いい眺め!


VIPを通すための貴賓室は頭取室よりもさらに豪華!複雑な格天井にはイタヤカエデの縮み杢という稀少で
高価な材が使われており、細かい細工の寄せ木の床には黒檀・紫檀など数種類の木材が使われている。


ドアの模様は黒檀・紫檀が使われた象嵌、壁には月桂樹にリボン柄の手描き模様があしらわれている。
これはもちろん修復のときに描き直されているが、元からこのような意匠があったらしい。




全面蛇紋岩で作られた暖炉は、石が派手な分装飾は控えめ。


足元にはシンプルなタイルが市松状に貼られていた。


はぁ~っ、すごい・・・もうおなかいっぱい!
秋田という町の潜在的な財力と、地方銀行の絶大な権威が窺い知れる建物だった。


閉館の時間になったので外へ出て、あとはレンタサイクルのリミットまでうろつこう。

続く。

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