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Channel: まちかど逍遥
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度々熊本 松合の石積み

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熊本の続き。

※これは2016年11月の旅です。

松合の街歩き、雨はまだ降り続いている。
このお宅のなまこ壁も古そうだな!


均一でなくムラのある瓦の色がニュアンスがあって美しいなぁ!


ここでもやはり端の方は崩れかけている。瓦自体の表面が剥がれているものもあって、
瓦の中はまるで凝灰岩のようなもろい質感で驚いたが、昔の瓦は焼き締めが弱いためだろうか。


しゃがみこんで見ていると、ここのご主人が帰ってこられたので少し会話する。
道路に面した側はきれいにやり替えてあるが側面は昔のままとか。
先の震災で主屋も被害を受けており、古い建物の維持の苦労を口にされていた。


集落内の小道をうろうろ。天満宮の参道脇にもなまこ壁が。


美しいふくらみを見せる石積みの基礎。


ここもなまこ壁だったのが見るも無残な姿に・・・


しかしちゃんと瓦は保管されているので、また修復されるのだろう。


松合橋は松合のまちに現在唯一残る石橋で、集落内を蛇行し和田船溜につながる春の川に架かっている。
この何でもないような小さな橋が1820(文政3)年という驚くほど古いものなのである。
もうすぐ200年!!


これは港の整備よりもずっと早く、おそらく干拓による新地造成が始まる前だと思われる。
地図を見るとここは旧海岸線であり、春の川の河口に架けられた橋だっただろう。


小径のアーチで目地を固められてもおらず、よく今まで流されることなく残ったものだなぁ!
先人の技術の高さには敬服するしかない。


ちょっと山手の方へも歩いてみよう。背後に迫る山のすぐ際まで民家が建っている。
斜面には柑橘類が植えられていた。


なまこ壁がここにも。




石積みの蔵を発見。蔵というか納屋かな?


しかし瓦葺の屋根を載せたしっかりしたものである。目地はあとからモルタルを詰めたものと思われ、
円形分水の近くで見た石蔵とはまた違う。扉もなく簡素だけれど美しい造形。


近くにまた同じような形の小屋があった・・・しかし石積みにしか見えないこの小屋、近づいてよく見ると
石ではなくコンクリート製のブロックだ。石の代わりにコンクリートブロックを使って建てるほど、
この納屋はポピュラーだったと見える。


下見板張りの民家の石積みの基礎が素敵!上の石蔵でも使われているグレーの石と、竜山石のような
やわらかそうな黄色の石。2色の石を積みわけたコントラストが美しい~




こんな物陰にひっそりと残る古いなまこ壁。人目につかないけれど松合のまちなみの原風景を伝える
小さな一角を、是非大切にしてほしいなぁ。


雨はあいかわらず止む気配がなくマップもボトボトになってしまったが、雨に濡れた石垣や石積みを
愛でながらの散策は楽しく、お昼ごはんも食べず歩き回って充実した時間を過ごした。
急遽予定変更して松合に来てよかったな!


続く。

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