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Channel: まちかど逍遥
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名古屋ビルめぐり 愛知県庁大津橋分室

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名古屋の続き。

こちらは名古屋城外濠の大津橋。前回の本町橋とともに、親柱に照明器具が載った昔の姿をとどめている。
照明器具は復元されたのかもしれないが、官庁街の玄関口として見栄えがするな。
手前にあるのは、大仏の頭ではなく(笑)器に盛られた花の彫刻である。


大津橋の横に大津町駅があった。→こちらのサイト参照


大津橋を渡って名古屋城の場内に入ると、帝冠様式の愛知県庁。1938(昭和13)年竣工。


そして名古屋市役所は1933(昭和8)年竣工。いずれも戦前戦中の匂いの濃い官庁建築の典型である。
これらはなくならないだろうから、今回はスルー。


大津橋のほど近くに、こじんまりした近代建築が2軒仲良く並んでいた。そのひとつが、愛知県庁大津橋分室。
愛知県信用組合連合会会館として1932(昭和7)年に完成。発注者は愛知県だというから、
これも根っからのお役所建築だな。


まず目を引くのはエントランス周りのギザギザの装飾。ギザギザと言ってもセセッションとか
キュビズムとか、モダニズム的なクールさは感じられず、なんとなくアジア的な印象も感じさせる
アクの強いデザイン。


松明がモチーフ??入口庇の上に7つ並んだレリーフは散華のようにも見え、7体のお地蔵さんにも見える(笑)


北東側から見ると印象ががらりと変わり、角部分がまた特徴的。2階、3階、屋上の塔屋まで貫く
白い付け柱が3本ずつ。付け柱の間は2階から3階まで途切れなくガラス窓がはめ込まれている。
このあたりは当時かなり目を引いたであろう。


中で何かの展示をやっていたので入ってみた。1階ホールの床はこんな無釉の色土タイル貼り。
素敵だな!


塔屋の部分はやはり階段室だ。丸窓も踊り場できれいに現れている。



内部は割とあっさりしていた。
→施工した北川組のサイトを見つけた。

そしてそのお隣は伊勢久株式会社のビル。1930(昭和5)年。
同じ3階建てでも高さは1階分ほども違っている。


明るいサンドベージュ色のタイルの外装は、表から見える部分のみで合理的に。
こちらも2~3階を貫くねじねじ柱が特徴的。あとは控えめなレリーフと持ち送りくらい。
外観的にはこちらの方が好みかな。


オリジナルと思われる照明器具もいいなぁ。企業ビルなので閉まっていたが、中には素敵な
ディテールが隠されているんじゃないか、と思わせるビルだった。


こちらは中北薬品。上の建物を見たあとではなんとあっさり見えることか(笑)。まるでプレハブのようだ。


1936(昭和11)年竣工というから、お役所がまだ重厚な建築を作っている間に、民間では最新の
モダニズム=ムダを削ぎ落としたローコスト建築に飛びついていたのだろうと想像する。


名城小学校のシャチホコの壁面レリーフ。名門、という感じがするなぁ~(笑)


続く。

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