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Channel: まちかど逍遥
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箱根の旅 小田原の建築めぐり その3

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小田原の続き。

小田原は恵まれた風土から数々の政財界人が別邸を構えたところで、旧小田原御用邸をはじめ
今もいくつかの庭園や邸宅が残っている。

小田原文学館を目指して歩いていると、門が開け放たれた邸宅が。
ここは旧松本剛吉別邸。小田原市職員の方が出てきて、敷地内に入って見学できると言う。


松本剛吉という人は山縣有朋の側近だった人で、建物は関東大震災で被害を受けたが
修復されたらしい。その後所有者が何度か代わっており、現当主の方が今もお住まいなので
主屋は見れないが、最近、庭園と茶室を公開してもらえるようになったのだとか。

紅葉真っ盛りのもみじがまだ残っていた!!

雨香亭という名の茶室は、普通に生活できるほど大きな建物だった。明治後期の築。




入口を入ると板敷きのスペースがあり、左右に2つの部屋がある。左側はかなりの高床だ。


彫目を入れた板と竹を交互に並べた床板はとても素敵!左右の部屋の並びは角度がついており
高さも違うため、こういう変形の面白い空間になっている。


板敷きの衝立の奥には水屋がある。


割竹で押さえられた天井板。


茶室だがにじり口はない。茶道の形式よりもリラックスを目的に作られた建物だったのだろうか。


主屋も山縣有朋の影響を受けた数寄屋風だとかで、曲った柱が使われているのが見えた。

説明して頂いた小田原市の職員の方によると、今は公開できているが今後は分からないとのこと。
たまたま通りがかりで見れてラッキーだったな!

さてこちらが小田原文学館となっている旧田中光顕別邸。1937(昭和12)年築。
建物を隠すように木が生えている。


四角いフォルムのシンプルなRC建物だが、エントランス周りが見どころ。扁平アーチ型の
開口部やひさしの軒回り、ステンドグラスや面格子など、装飾的な要素が集中している。


スパニッシュ風のツボも載っている。


ニッチの部分にはふっくらタイルと布目タイルが市松状に。素敵だなぁ。


入場しようか迷ったのだが、ドアを開けてちらっと内部を見てみたら、やっぱり
展示室はキレイに改装されているようだったので、外回りだけでいいかと・・・
正直なところはお腹がすいてきたのでゴハンを食べる時間を計算していたから!?


裏へ回ってみると、サンルームのように張り出した部分が。ははぁ、こちら側が小田原文学館の
写真としていちばんよく出ているアングルだ。・・・しかしなんか建具が味気ないなぁ。
私は表側の雰囲気の方が好きだな。

パラペットの部分にはスパニッシュ瓦が載っている。

ぐるっとひと回りしてみると、四角い建物の横にこんな木造の建物が付随していた。おそらく
調理場とかパントリーとかのバックヤード的機能をもつスペースか、日常生活の場だったと思われる。
こちらは建具も木製ペンキ塗りのままだし出窓の持ち送りもオリジナルっぽくていい感じ。

でもおそらく、文学館に入場したとしてもここは関係者以外立入禁止になっているだろう。

隣接して和風建築の白秋童謡館もあったのだが、お昼ご飯のことばかり考えていてすっかり
見逃してしまった(汗)

続く。

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