Quantcast
Channel: まちかど逍遥
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1991

東予の旅 波止浜の港風景

$
0
0
今治からの続き

電車にひと駅乗って小さな木造駅舎が残る波止浜へ。駅前にはシンボリックな大きな木が一本と
広々した天然ロータリー。

ここでは約1時間の滞在予定だ。古い町は駅から2kmぐらい離れており、早足で行かねば。

途中ゴルフ場のあるあたりに立っていた説明板によると、この辺りには昔塩田が広がっていたらしい。
1683(天和3)年に長谷部九兵衛の功労により完成した県内最古の入浜式塩田だそうで、
波止浜は塩業で大いに繁栄したとのこと。この唐突なゴルフ場も塩田だったのだな。

おや、川の堤防の中に立つ鳥居。堤防に接して神社があるのだが、川から参拝するのか?
神社の対岸に川に面した鳥居があるのはちょくちょく見かけるが、川の中とは、不思議な光景だな。
厳島神社みたいだ。


ネットで調べてみたところ、隣接する龍神社に龍神様が行き来しやすいように、参拝口の石段の
前の海の中に建立されたものだとか。堤防ができたから妙なことになったのだな。
厳島神社も龍神様なんだろうか。


海に平行する道沿いに並ぶ立派な町家は、塩田で儲けた家であろう。


玄関周りの板張りが変わっている。同じような意匠を数ヶ所で見かけたので、このあたりの
特徴的な意匠なのだろう。


洋風意匠もわずかながら。




路地を覗きこむと、小さな飲み屋や旅館の向こうに、船!このまちには今治造船所があるのだ。



波止浜の造船所の歴史について詳しい資料を見つけた→こちら

これによると、塩田で作った塩を千石船で売りさばき、醸造業その他の多角経営で財をなした人々が
海運業の隆盛に合わせて明治末期に近代造船所を作ったのだとか。


今治の造船業の功労者は、松山の石崎汽船の石崎家の本家にあたる石崎金久という人で、
時代に翻弄されながらも優れた経営手腕とアイデアで今治の造船業を世界に名だたるものに
育てあげたのだ。


ぐるっと回って海沿いをぶらぶら歩くと目の前に巨大な船が見える。すでに進水しているから
艤装中なのだろう。浮き桟橋におりて座ると気持ち良くて、なんかもう日暮れまでここで
ゴロッとして船を眺めていようかなという気になってきた。


しかしもう一ヶ所、菊間に行きたい。駅へ戻るとするか。

おや、あの建物は?
路地の間からちらりと見えたのは、飛田医院。おお、こんなところにも洋風建築があったのか。
見落とさなくてよかった。


さて、時間がヤバい。小走りがだんだんダッシュに。。。(汗)
駅についたら、電車は行ってしまっていた。時刻を間違って覚えていたようだ。ゼイゼイ。。。

こんなことなら、浮き桟橋でゴロッしてるんだったよ(苦笑)

続く。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1991

Trending Articles