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Channel: まちかど逍遥
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雨の河西橋

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7月の最初の週末のこと、午後から南海電車で和歌山方面へ。雨がポツポツ降り出す中なぜ遠出したのかと言うと、
春にチケット屋で買って使わないまま持っていた南海の株主乗車券が、7月10日で期限切れになるから(苦笑)。
距離関係なく1回分の乗車券なので、遠くまで行く方がお得なのだ。

一応目星はつけていた。
先日ひょんなことから、2007年に和歌山を訪問した時の自分の記事を引っ張り出して読んでいたら、
北島橋の南側にかかる河西橋が加太軽便鉄道の紀ノ川橋梁を廃線後に人道橋に転用したものであることを
後から知って、また行こう思っていたことを思い出したのだ。

というわけで和歌山市駅にやってきた。線路沿いに歩いて、JRと南海のダブル踏切を渡る。
和歌山市駅は南海の駅にJRが乗り入れている形となっている。南海の和歌山市駅は難波駅と双璧の
ターミナルであるのに比べ、端のホームを間借りするJRはいかにもローカル線である。


和歌山市駅到着間際に車窓から見えたレンガ倉庫を見に行くと、その手前に和歌山競輪場が。
こんな駅からすぐのところに競輪場ねぇ。もちろん今日は開催日。警備員が角ごとに立っている。


倉庫の前に1.7mの低いガードが。驚いたことに、ここを車も通っている!


ガードを抜けたところに踏切があるな。ここからJRは川の手前で曲がり和歌山駅へ向かい、
南海線は紀ノ川を渡るために坂道を上るのだ。


さらに進んで行くと、おお、素敵なトンネルが!ここにもちゃんと警備員さんがいる。
水路かと思うほど小さな径のアーチのトンネルで、上から木の枝が覆いかぶさりいい雰囲気!


さっきのガードより低く高さ1.6mぐらいだろうか。警備員のおっちゃんに聞くと、さすがに車は
通れないそうだがバイクは通っていた。歩いて行くと中にセンサーが設置され出口で回転灯が回っていた。
しかし夜は怖いなあ。。。

反対側は30cmほど高いようだ。

そこからさらに進むと紀ノ川の堤防に出た。ここはちょうど南海電鉄紀ノ川橋梁を間近で見られる
スポットなのだが、踏切の幅は狭い上に交互通行で交通量はそこそこあるので、長いこと立ち止まっていられない。


上りと下りの橋桁が別の橋脚に載っており、上りの方が古そう。前にも書いたが、上り線(下流側)は
明治36年のアメリカ製ピントラス、下り線(上流側)は大正11年の曲弦ワーレントラスだ。
トラスがあるのは和歌山寄りの3連のみ。下から見上げようと思ったのだが、橋の下へ下りる道は
閉鎖されており、土手の草むらを下りるのも雨の中なのでやめておく。


下流側からアクセスできるかなと行ってみたが、水際は水上バイクや釣り船などの拠点になっているようで
占拠状態のため近寄れなかった。


土手道を歩いて北島橋を過ぎると、細い橋が見えてきた。


おぉ、これか。川の流れに対して斜めから入り、しばらくカーブを描いて軌道修正してから垂直に渡っている。


美しい橋脚。レンガは使われておらず石造りで、上流側の水切りは今もピンピンだ。
付近には根こそぎ流されたらしい大きな流木が転がっており、台風や集中豪雨の際は恐ろしい様相と
なるのだろう。一部の橋脚は傾いており、中央部がコンクリート橋脚になっている。


しかし・・・へろへろ!1914(大正3)年に架けられたので今年でちょうど100年か!!


実はここに向かいながらスマホで検索していると、この河西橋の架け替え予定のニュース記事を見つけた。
もう工事が始まっているのかと一瞬ドキッとしたが、去年設計業務の入札をしたところで、
新橋の供用開始は平成35年を目指すとか。まだまだだ。ほっ。
河西橋は車は通行できないが、自転車やバイクは通れる。結構大きなバイクも走っており、通行量は結構多い。
確かにこのへろへろ具合だと、ちょっと心もとないな。。。


淀川小橋と同じように、河西小橋(勝手に命名)があった。

合併により南海加太線となったこの路線がジェーン台風の被害を受けての廃線後、紀ノ川橋梁を撤去せず
転用したのは素晴らしい。そして風や暴水にさらされながら100年もの間、両岸の地域をつないできたのだ。
あっぱれなことである。

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