高知の続き。
奈半利では非公開のお宅を見せて頂ける幸運に恵まれた。
![]()
そこのお宅は中庭に浴室棟があり、その外壁にはこれまた本業タイルがずらりと貼られていた!すごい!!
![]()
浴室棟は建物に囲まれていて外からは全く存在も分からない。建物は比較的新しそうに見えるのにこのタイルは
いったいどこから・・・尋ねてみると、10年ほど前に浴室棟を建て替えたときに、もともとトイレの内壁や床に
貼られていたタイルがきれいで気に入っていたので、大工さんと相談してこんななまこ壁風のおしゃれなデザインに
して貼ったのだとか。よくぞ残してくださった!!
![]()
やはりこういう模様入りの本業タイルは美しくて存在感があるから捨てるのが忍びないのだ。それに古い本業タイルが
使われた明治~大正期は、まだモルタルでなく漆喰で固めているところが多いから、解体しても無傷で取れるのだ。
時代が下ってモルタルになるともうがっちりタイルと一体化してしまって取れないから、再利用は難しい。。。
![]()
あぁ、こんな素晴らしいプライベート空間を見せて頂いたお家の方に心から感謝!!ありがとうございました!
また、なはり浦の会のガイドさんに濱田典弥家住宅へも案内して頂けた。そこは前回パーマ屋のおばちゃんがおすすめして
くれたのだが場所が分からず引き返したのだった。
途中で洋風意匠のある家も見かけた。
![]()
濱田家は小作人を400人も抱える大地主だった。主屋、かま屋、米預かり場、石塀、土蔵の5件が登録有形文化財である。
敷地奥に見える6段もの水切り瓦が壮観な蔵は明治の築。手前の主屋は1934(昭和9)年に新築されたものだ。
![]()
主玄関は閉められていて、勝手口のような入口から入らせて頂く。
![]()
![]()
その脇には井戸があった。
![]()
覗いてみると、うわぁ、あの石垣と同じような玉石をみっしりと積み上げてある!これは芸術的ですらあるな。。。
![]()
建物に上がり、内側から主玄関を見る。シンプルな格子戸だが欄間のポイントに組子の模様が入っている。
![]()
見上げれば、重厚な折り上げ格天井~!
![]()
装飾豊かな近代和風建築、やはり座敷はすごかった!
![]()
付書院の障子は松皮菱を入れ子にしたデザイン。
![]()
障子の上辺には花灯窓のような漆塗りの唐草風の窓枠がついていて、隅には何と黄色い色ガラスがはまっていた!
こんなの見たことなかったなぁ!
![]()
ケヤキだろう、分厚い一枚板から彫り出したと思われる書院の楕円形の欄間には菊の花や小鳥が。
![]()
![]()
床脇の違い棚の筆返し。
![]()
2段になった床板。銘木であろう床框は縞の木目が美しい。
![]()
隣室との間の欄間もケヤキ材の一刀彫で、こちらも竹垣に菊と小鳥。濱田家にゆかりのあるモチーフなのか、
単にお気に入りだったのか。
![]()
すべてに良い材が使われていて高い技術で細工された意匠の数々は見どころ満載。
![]()
壁に埋め込まれた神棚も、細かく造り込まれている。
![]()
雨戸の戸袋の内側にあけられた引き出し用の窓も、ただの四角でなく花形になっていておしゃれ!
![]()
さて手洗い場とトイレは真っ白でぴかぴかの白無地タイル貼り!昭和9年ともなると、白無地タイルが衛生の象徴と
して使われるようになってくるのだ。ストレートエッジで馬目地・・・古い貼り方だが、あらためて写真を見ると、
これほどきれいなのでやはり新しいものかな。改修工事が行われたというから、元の状態に忠実に貼り直したのだろうか。
![]()
![]()
濱田典弥家住宅も定期的な一般公開はしていないものの、広い庭がいろんなイベントなどに使われたり、ガイドツアーなどで
建物を見学できる機会もある。今回はうまくタイミングが合ってラッキーだった。ありがとうございました!
こういう見学できる建物やカフェなど滞在できる建物が他にも増えればいいなぁ~
![]()
→まちなみガイドのご相談はなはり浦の会へ
奈半利の古いまちなみエリアは歩いて回れるぐらいの範囲だが、木材の集散地としてや、捕鯨、製糸業などの産業で
栄えた地だけに見どころは多くまち歩きが楽しい。魚梁瀬森林鉄道の遺構めぐりなどもしたいし、また行きたい!
続く。
奈半利では非公開のお宅を見せて頂ける幸運に恵まれた。

そこのお宅は中庭に浴室棟があり、その外壁にはこれまた本業タイルがずらりと貼られていた!すごい!!

浴室棟は建物に囲まれていて外からは全く存在も分からない。建物は比較的新しそうに見えるのにこのタイルは
いったいどこから・・・尋ねてみると、10年ほど前に浴室棟を建て替えたときに、もともとトイレの内壁や床に
貼られていたタイルがきれいで気に入っていたので、大工さんと相談してこんななまこ壁風のおしゃれなデザインに
して貼ったのだとか。よくぞ残してくださった!!

やはりこういう模様入りの本業タイルは美しくて存在感があるから捨てるのが忍びないのだ。それに古い本業タイルが
使われた明治~大正期は、まだモルタルでなく漆喰で固めているところが多いから、解体しても無傷で取れるのだ。
時代が下ってモルタルになるともうがっちりタイルと一体化してしまって取れないから、再利用は難しい。。。

あぁ、こんな素晴らしいプライベート空間を見せて頂いたお家の方に心から感謝!!ありがとうございました!
また、なはり浦の会のガイドさんに濱田典弥家住宅へも案内して頂けた。そこは前回パーマ屋のおばちゃんがおすすめして
くれたのだが場所が分からず引き返したのだった。
途中で洋風意匠のある家も見かけた。

濱田家は小作人を400人も抱える大地主だった。主屋、かま屋、米預かり場、石塀、土蔵の5件が登録有形文化財である。
敷地奥に見える6段もの水切り瓦が壮観な蔵は明治の築。手前の主屋は1934(昭和9)年に新築されたものだ。

主玄関は閉められていて、勝手口のような入口から入らせて頂く。


その脇には井戸があった。

覗いてみると、うわぁ、あの石垣と同じような玉石をみっしりと積み上げてある!これは芸術的ですらあるな。。。

建物に上がり、内側から主玄関を見る。シンプルな格子戸だが欄間のポイントに組子の模様が入っている。

見上げれば、重厚な折り上げ格天井~!

装飾豊かな近代和風建築、やはり座敷はすごかった!

付書院の障子は松皮菱を入れ子にしたデザイン。

障子の上辺には花灯窓のような漆塗りの唐草風の窓枠がついていて、隅には何と黄色い色ガラスがはまっていた!
こんなの見たことなかったなぁ!

ケヤキだろう、分厚い一枚板から彫り出したと思われる書院の楕円形の欄間には菊の花や小鳥が。


床脇の違い棚の筆返し。

2段になった床板。銘木であろう床框は縞の木目が美しい。

隣室との間の欄間もケヤキ材の一刀彫で、こちらも竹垣に菊と小鳥。濱田家にゆかりのあるモチーフなのか、
単にお気に入りだったのか。

すべてに良い材が使われていて高い技術で細工された意匠の数々は見どころ満載。

壁に埋め込まれた神棚も、細かく造り込まれている。

雨戸の戸袋の内側にあけられた引き出し用の窓も、ただの四角でなく花形になっていておしゃれ!

さて手洗い場とトイレは真っ白でぴかぴかの白無地タイル貼り!昭和9年ともなると、白無地タイルが衛生の象徴と
して使われるようになってくるのだ。ストレートエッジで馬目地・・・古い貼り方だが、あらためて写真を見ると、
これほどきれいなのでやはり新しいものかな。改修工事が行われたというから、元の状態に忠実に貼り直したのだろうか。


濱田典弥家住宅も定期的な一般公開はしていないものの、広い庭がいろんなイベントなどに使われたり、ガイドツアーなどで
建物を見学できる機会もある。今回はうまくタイミングが合ってラッキーだった。ありがとうございました!
こういう見学できる建物やカフェなど滞在できる建物が他にも増えればいいなぁ~

→まちなみガイドのご相談はなはり浦の会へ
奈半利の古いまちなみエリアは歩いて回れるぐらいの範囲だが、木材の集散地としてや、捕鯨、製糸業などの産業で
栄えた地だけに見どころは多くまち歩きが楽しい。魚梁瀬森林鉄道の遺構めぐりなどもしたいし、また行きたい!
続く。