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Channel: まちかど逍遥
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書道博物館の敷瓦

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GWでブログを中断したら書けなくなってしまった(汗)。リハビリが必要かな・・・

東京に来てから、多様なミュージアムが身近にたくさんあることに気づいて時々訪れているのだが、
料金が結構高い(汗)。もちろん展示にはそれだけの費用がかかるわけだろうが、、、関西では
千円前後の相場感だったのが1800円とか1600円とか普通にするので、ちょっと痛い(苦笑)
それで、「東京・ミュージアムぐるっとパス」というのを2500円で買って、それで入れるところを
チェックすることにした。有効期間は2ヶ月。今は緊急事態宣言で休館休園が多くちょっと損した気分
だけど、、、もちろんこれで入れなくても見たい展示は行くし、別に見たくもないところを無理して
回るわけでもない。
古い建物が使われているところも多いので、見学目当てでも行く。素敵な建物の中でゆったり滞在
するのは至福のひととき。特に興味なかった展示でもチラ見していると結構面白かったりするのだ。


さて、前から行こうと思っていた台東区立書道博物館。鶯谷駅からほど近い静かな道に面して建っていた。
ここは、洋画家・書家であった中村不折の旧宅で、1913(大正2)年から30年間住んでいた場所。
中村不折は1936(昭和11)年に書道博物館を創設し、書道史に関する貴重な収集資料を収蔵する
ためにこの建物を建てた。


元入口は閉められている。


敷地内にあった居宅は空襲で消失し、現在、博物館開設当初からの本館と、平成7年に中村家から寄贈
されたあとに建てられた中村不折記念館の建物で、コレクションの展示が行われている。さぁ入ろう。


記念館の展示をさらっと見てから、中庭へ。中庭には居宅があった当時の名残とみられる庭園が残り、
牡丹が華麗な花を咲かせていた。館内は写真撮影不可だが、中庭はOKなのだ。


大正時代に建てられたというこの蔵の犬走りには、瀬戸の本業敷瓦が埋め込まれているのだ。




2種類の印花文はどちらも比較的よく見るタイプで、色違いの敷瓦をセットに、そして白ばかりをセットに。
それらの間にはなまこ壁に使われる張り瓦のような、瓦質の敷瓦が敷かれている。




黄瀬戸、緑釉、鉄釉、天目釉、志野などの釉薬がこってりかかった敷瓦は歪みが大きくかなり古そう。
とても大正時代のものとは思えず、明治初期か江戸末期じゃないか!?という気がする。




もともとここにあった建物に使われていた敷瓦を転用、または別の建物に使われていたものをもらってきて
再利用したのではないだろうか。施設の方に尋ねてみたけどわからないようだった。


さらに近年、明治時代に建てられた蔵が現存していたとわかり、敷地内に移築された。
中村不折はこの根岸周辺で何度も家を建て替え引越していたといい、以前住んでいた家で蔵を建てたが
現在地に引っ越して以降忘れ去られていたのだった。道路拡張工事のため偶然発見され、救い出されたと
いう話である。


祠のような小さな大谷石積みの蔵。


これで明治、大正、昭和、平成、に建てられた建物が敷地内に揃った。時代はつながっているのだ。
静かな展示空間には「書」というものばかりでなく、文字が刻まれた銅器や碑や、外国から持ち帰った
民俗資料的なものも並んでおり、結構楽しめた。


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