今月の洋風建築めぐり講座は、京都夷川にある、家具の宮崎。
そういう建物が近々建て替えされるという話は聞いていたのだが、どんな建物でどこにあるのかは
知らなかった。
地下鉄丸太町からほど近いこの夷川という通りが、家具屋の集まるエリアということも知らなかった。
いきなりこんな大物が目の前に現れて、京都の奥の深さに恐れ入るばかり。。。
白いタイル貼りの壁と大きなウィンドーからなるファサード。MIYAZAKIの文字が素敵!
1936(昭和11)年、武田五一が監修、弟子の宇都宮誠太郎の設計で竣工した建物は
全く古さを感じさせないデザインで、またとても状態がいいように見える。
何で建て替える必要があるのだろう、と思ってしまう。
入口の天井にはオリジナルの照明。
ウィンドーガラスのアールが見事!
その上部、らんまの部分には花や木のポップな模様がサンドブラストによって施されている。
図案は宇都宮誠太郎の得意とするところ。
1階の展示場には八角形の柱が並ぶ。
この建物は意外にも木造であり、この柱も木骨にプラスター(西洋漆喰)を塗ったものだとか。
昔の写真を見せていただくと、もとは上部にぐるりと行灯型の照明器具がついていた。
ロの字型の平面構成になっていて、中庭の部分には噴水がある。
この変わった形の噴水は武田五一によるもので、テラコッタ製。
サボテンではなく万年青(おもと)であると、案内して下さった宮崎の若社長がおっしゃっていた。
ショーウィンドーと同じようなエッチングガラスが中庭に面した扉のらんまにもはめ込まれ、
鳥やリボンなどの模様とともにこの建物の竣工年である「1936」の数字が入っている。
この模様自体も何か意味がこめられているのではないかと思うが、実際のところはわからない。
足下はよくある溝入のクリンカータイルだと思ったら、布目模様のボーダータイルを5枚ずつ並べたもの。
階段もまたすごい!腰壁はこんな4色のグラデーションのモザイクタイルで埋め尽くされており、
手すりの部分は「更紗」と呼ばれる華やかな色合いの大理石がふんだんに使われている。
踊り場にはステンドグラスの縦長アーチ窓が2つあり、印象的な空間となっている。
女子トイレの壁のタイルとステンドグラス、この赤い大理石製の洗面台もオリジナルのままだとか。
なぜか高さがかなり低い。子供に配慮したのだろうか。
奥にある作業場のカウンターも、階段まわりと同じタイル使いの横しまバージョン。素敵!!
そのままバーか料理屋にできそうな空間。
この上で生地の裁断などをしていたのだろうか。それとも梱包のためのカウンターだったのか。
縦横に刻み込まれた刃物の跡を見ると、店員さんが忙しく走り回っていた光景が浮かんでくる。
裏には和館が併設され、茶室がある。茶室から見える庭も和風にしつらえられている。
さっき通ってきた事務室前の廊下の格子窓は外から見ると障子窓のように見えて違和感がない。
裏の階段もさっきのと同じようにモザイクタイルと大理石で、手を抜いていないのがすごい。
2階に上ると、メルヘンチックな図案入りの4枚の引き戸が目に飛び込んでくる!カワイイ〜〜
人魚や馬、貝、ヨット、ティーポット、パイプなど、
この扉の中は応接室?窓際にはソファが作りつけらていたという。飾り暖炉のグリルや左右の
物入れの扉もとっても素敵。緑色の縞模様の大理石もあまり見ないもので珍しい。
この建物は木造だが一部に鉄筋コンクリートの柱が仕込まれているために今もゆがみやひずみが
少ないのだとか。特に傷みもないのに建て替えを余儀なくされた理由の一部には税金面の事情などが
あるようだ。社長ご自身も大変残念がられていたが、見学者の私たちにほんとに親切にいろいろと
案内・説明して下さり、ブログへの掲載もOKでむしろ喜んで下さっているようだった。
せめてなくなる前にじっくり見れてここに残すことができてよかった。
どうもありがとうございました!
ひろ009さん、mayumamaさんの記事もどうぞ。
そういう建物が近々建て替えされるという話は聞いていたのだが、どんな建物でどこにあるのかは
知らなかった。
地下鉄丸太町からほど近いこの夷川という通りが、家具屋の集まるエリアということも知らなかった。
いきなりこんな大物が目の前に現れて、京都の奥の深さに恐れ入るばかり。。。
白いタイル貼りの壁と大きなウィンドーからなるファサード。MIYAZAKIの文字が素敵!
1936(昭和11)年、武田五一が監修、弟子の宇都宮誠太郎の設計で竣工した建物は
全く古さを感じさせないデザインで、またとても状態がいいように見える。
何で建て替える必要があるのだろう、と思ってしまう。
入口の天井にはオリジナルの照明。
ウィンドーガラスのアールが見事!
その上部、らんまの部分には花や木のポップな模様がサンドブラストによって施されている。
図案は宇都宮誠太郎の得意とするところ。
1階の展示場には八角形の柱が並ぶ。
この建物は意外にも木造であり、この柱も木骨にプラスター(西洋漆喰)を塗ったものだとか。
昔の写真を見せていただくと、もとは上部にぐるりと行灯型の照明器具がついていた。
ロの字型の平面構成になっていて、中庭の部分には噴水がある。
この変わった形の噴水は武田五一によるもので、テラコッタ製。
サボテンではなく万年青(おもと)であると、案内して下さった宮崎の若社長がおっしゃっていた。
ショーウィンドーと同じようなエッチングガラスが中庭に面した扉のらんまにもはめ込まれ、
鳥やリボンなどの模様とともにこの建物の竣工年である「1936」の数字が入っている。
この模様自体も何か意味がこめられているのではないかと思うが、実際のところはわからない。
足下はよくある溝入のクリンカータイルだと思ったら、布目模様のボーダータイルを5枚ずつ並べたもの。
階段もまたすごい!腰壁はこんな4色のグラデーションのモザイクタイルで埋め尽くされており、
手すりの部分は「更紗」と呼ばれる華やかな色合いの大理石がふんだんに使われている。
踊り場にはステンドグラスの縦長アーチ窓が2つあり、印象的な空間となっている。
女子トイレの壁のタイルとステンドグラス、この赤い大理石製の洗面台もオリジナルのままだとか。
なぜか高さがかなり低い。子供に配慮したのだろうか。
奥にある作業場のカウンターも、階段まわりと同じタイル使いの横しまバージョン。素敵!!
そのままバーか料理屋にできそうな空間。
この上で生地の裁断などをしていたのだろうか。それとも梱包のためのカウンターだったのか。
縦横に刻み込まれた刃物の跡を見ると、店員さんが忙しく走り回っていた光景が浮かんでくる。
裏には和館が併設され、茶室がある。茶室から見える庭も和風にしつらえられている。
さっき通ってきた事務室前の廊下の格子窓は外から見ると障子窓のように見えて違和感がない。
裏の階段もさっきのと同じようにモザイクタイルと大理石で、手を抜いていないのがすごい。
2階に上ると、メルヘンチックな図案入りの4枚の引き戸が目に飛び込んでくる!カワイイ〜〜
人魚や馬、貝、ヨット、ティーポット、パイプなど、
この扉の中は応接室?窓際にはソファが作りつけらていたという。飾り暖炉のグリルや左右の
物入れの扉もとっても素敵。緑色の縞模様の大理石もあまり見ないもので珍しい。
この建物は木造だが一部に鉄筋コンクリートの柱が仕込まれているために今もゆがみやひずみが
少ないのだとか。特に傷みもないのに建て替えを余儀なくされた理由の一部には税金面の事情などが
あるようだ。社長ご自身も大変残念がられていたが、見学者の私たちにほんとに親切にいろいろと
案内・説明して下さり、ブログへの掲載もOKでむしろ喜んで下さっているようだった。
せめてなくなる前にじっくり見れてここに残すことができてよかった。
どうもありがとうございました!
ひろ009さん、mayumamaさんの記事もどうぞ。