Quantcast
Channel: まちかど逍遥
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1991

古民家カフェ蓮月と私の家

$
0
0
午後からちょっとお手軽に近場を散策しようかと、近代建築を検索したり持ち出し用のマップをつぎはぎし
印刷しようと思ったら、まだプリンターと繋げていなかった。。。無線印刷の設定の仕方を調べやりかけたら、
なんだ、ブルートゥースでできるじゃないの。なんだかんだで出るのがずいぶん遅れた。。。
今日は夕方荷物の受け取りのため4時に戻ってこないといけないので、結局1時間ちょいしかない(汗)。
あちこち行くのは無理なので、蓮月(れんげつ)という古民家カフェに行くことに。そこなら自転車で行ける範囲だ。


とは言っても結構遠い。。。途中で立ち止まって写真を撮ったりしたので到着したのはもう3時半近く(汗)。
日蓮宗の大本山、池上本門寺の総門近く。バス通りから折れると古い木造の建物が現れた。


背が高い!!3階建てか!?と思ったら2階建てなのだが、普通の町家の1.5倍はあるだろう。
2階の窓には旅館か料亭と思わせるような欄干が回っている。元蕎麦屋というのはネット情報で見ていたけど、
蕎麦屋ってこんなに立派な建物を建てるほど儲かるのか!?
関西人には(というか私には)あまりなじみがないが、蕎麦屋は料亭のような位置づけだったのだろうか。


美しい格子のファサードに藍染ののれん。うわ~、気分が上がる~~!
自転車がたくさん停まっていてかなり人気のようだ。早く入ろう。


おぉ・・・中もいい雰囲気!
タイミングよく土間の席が空いていたので、チャイラテを頼み、許可を得て店内の写真を撮る。




入口付近は土間だが、一段上がった板の間が奥まで続き裏庭が見えている。そして2階にも上がれるようだ。


しかし・・・滞在時間は15分ぐらいしかない(汗)。こんな素敵なカフェ、ケーキも頼んでまったり
1時間ぐらい過ごしたいところだが・・・あぁもったいない。


そんな間にも次々とお客がやってくるので、チャイラテを飲み終わると早々に席を立ち、奥の方も見せてもらう。
明るく広い裏庭では、季節のいい時にはテラス席が作られるようだ。

(左奥へとフロアが続いているが満席のため写真を撮れず)

おや、裏庭に面した廊下の突き当たりにも階段がある!?この広さの建物で階段が2ヶ所にあるなんて。


表側が客用で裏側が店員用だったのだろうか。それとも2階からトイレに行く用の階段か。
または、いざという時の逃げ道か。上がってみると、すぐ目の前に下り階段があった。


2階は座敷席が2部屋あり、子供連れのお客にもよさそうだ。立派な床の間もあり、じっくり見たかったが
お客がいたし、時間もない。また来るとしよう。今度来るときは電車にしようかな(苦笑)。


→蓮月の公式サイト こちら

ところで、ここへ来る途中の道すがら、ぽつぽつと古い木造住宅などが残っていたのだが、
ちょっと変わったレンガの壁が目に留まった。


近づいてみると、平の面を見せてあるので構造ではないな。戦後建築っぽくモダンな雰囲気の意匠だ。
レンガ壁からつながるコンクリート塀は型枠の跡を見せた仕上げで、簡素だがちょっとその辺の建物とは違う雰囲気。
塀が高く中は見えないが、敷地は広く庭を囲んでいくつかの建物があるようだ。コンテナっぽい建物もあるな。


全体を見ようと道路を向かい側へ渡ってみると、すごい逆光の中、奥の方に茅葺民家のような形の屋根が見えた。
うわっ、なんかすごいな!?


入口の門のところに「SEIKE」という文字を抜いた古い鉄のプレートが取り付けられていた。
あぁ、これはもしや・・・


帰ってから検索してみたら、やっぱり、これは建築家、清家清の自邸だった。コンクリート塀の向こうが
広い庭で、最初に見たレンガ壁が、1954(昭和29)年に建てられた名作、「私の家」の外壁だった。
清家清は、小面積で豊かな居住空間を追究し、自邸でそれを実験したのだ。5m×10mの玄関もドアもない
ワンルームの箱という前代未聞の家。庭と一体的につながる空間を、折々でしつらえ豊かな暮らしを実現した。
それは現代でも理想的な暮らし方だな。


あぁ、こんな偶然通りかかったまちかどに名作の建築があるって、やっぱり東京はすごいなぁ~

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1991

Trending Articles