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楠森河北家住宅 主屋など

2020年2月の楠森河北家住宅の続き。

新座敷から続く渡り廊下を通って主屋の部屋も見せて頂いた。
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本当はこの部屋は見せる予定ではなかったのかもしれない。新座敷とは違い、若干人の気配のある空間だった。
普段使いの応接間といったところだろうか。
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新座敷に比べるとシンプルで簡素に思われるのは明治前期の築だからだろうか。
しかしふた部屋の間の欄間は松竹梅の透かし彫りが見事。
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隣の部屋が次の間だろうか。神棚があって天井がとても高い。5m近くあるかな!?
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縦横に組まれた太い梁がむき出しになった豪快な天井。
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飾られていたこちらの欄間もどこかに嵌っていたものだろう。繊細さと力強さを併せ持つ、素晴らしい作品だな。
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いったん外へ出て玄関から主屋に入る。三和土のままの薄暗い土間が奥まで続いている。ここは台所だ。
・・・と、柱に何か異様なものがぶら下っているぞ。しめ縄か!?いや、ちょっとデカすぎるし形が変だ。。。
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人が簀巻きにされているみたいに見えてギョッとする(爆)
これは藁で作られた大きな海老で、「わら海老」と呼ばれる。へぇ、珍しいなぁ!
説明によると、「昔、凶作でまったくわらが取れず、田植えのための"くびりわら"が無く困ったことから、
米がとれた時に出来たわらを海老の形にし、くどの上に揚げ、一年間わらを保存する」ためのものだったとか。
これはこのあたりの風習であったが現在ではわら海老を作れる人がほとんどいないらしい。
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広大な敷地には石積みの水路が蛇行し、夏には蛍が乱舞するという。
このあたりで民家の庭に引き込まれている水路はせせらぎというより、石積み護岸のかなり深い溝である。
やはり水が豊富な地域だからだろう、水車を設けて臼で粉をひいたりする動力として使っていたようだ。
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水場もあった。
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庭に点在する用途ごとの蔵は、建てられた年代が江戸時代から大正時代までバラバラ。
こちらの小さな小屋は「味噌部屋」。明治前期の築。
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肌色っぽい色の土の荒壁仕上げ。露出した木部まで塗りこめてある。
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こちらが敷地内でいちばん古い建物で、1812(文化9)年に建てられた米蔵に1857(安政4)年に
器蔵が増床されている。
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塀の外側には秤蔵、材木小屋もある。

住宅座敷をぐるっと回りこんで新座敷の方へ戻る。
住宅座敷の一番上の棟の側面と、下屋の根元に丸瓦がずらりと並べて埋め込んであった。
かわいいな!
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古い瓦が縁の下に置いてあった。変わった柄は「鬼州浜紋」と言う河北家の家紋で、相撲取りの紋なのだそうだ。
祖先に相撲の神がいるとか・・・いやはや、800年も続く家の歴史はもうほとんど神話レベルだな!
ちなみに、美術評論家、故河北倫明氏はこの家の生まれ。(この人のことを知らなかったのだが・・・汗)
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最後に、さっき淹れて頂いた特上煎茶を買ってみた。楠森堂では「在来種」のお茶を売りにされている。
覆いをして育てるとお茶は光合成できなくて甘み成分が増えるのだとか。→詳しくは楠森堂のサイト
八女の許斐本家で頂いた玉露のうまみにカルチャーショックを受けたのだったが、うきはのお茶もおいしい!

あとから教えて頂いたのだが、「食と建築土木」の本に4ページにもわたる河北さんのインタビューが載っている。
壁結のことも合わせると何と11ページも楠森河北家のことが載っていたのだ!その本ずっと前から持っていたのに(大汗)。
でも今回直接いろいろお話を聞くことができて本を読むだけよりも思いが強く感じられたのでよかった!
お忙しいところ、1時間半以上、つきっきりで案内して頂きありがとうございました!

※SNS掲載承諾済み。

続く

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