2020年2月の筑後吉井の続き。
伝建地区に建つ居蔵の館は、「居蔵家」と呼ばれる筑後吉井の重厚な白壁の土蔵造りのまちなみを代表する建物。
何と言ってもここの見どころは奥のトイレである。渡り廊下を通って離れの方へ進んで行くと、、、うわぁ~~~っ!!
いきなり目に飛び込んできた男性用小便所のタイル!!
なんと、このトイレは現役のようだ。えっ、もしやつい今すれ違った男性は・・・嬉しいような、困ったような・・・(汗)
便器はレトロな筒型だが確かに古いものではない。
壁の腰張りには北海道の栗山町の小林家や三朝温泉の木屋旅館、北海道開拓の村の近藤医院などでも使われている、
幾何学模様のマジョリカタイル。緑色が鮮やか!
そして床のタイルは、、、あぁこのタイルが私は大好きなのだ!!以前関西蚤の市にふらっと行った時に見つけて買った
タイルと同じもので、「日本の洋館 明治篇」に載っている宇和島の岩松にある旧小西荘三郎邸のトイレのタイルとも同じ。
浅い陰刻を施した上に手描きで着色した、明治中期以降の瀬戸製半乾式本業タイルである。
尚、旧小西邸は長らく無人で放置されていたが、トイレのタイルは今も無事に残っており、この度ようやく修復工事の
メドがついたそうだ。もともとお風呂場にも同じタイルが貼られていたが、現役住居のときに改修されてしまったらしく、
そのとき剥がされたタイルが私のところに流れ着いたのでは・・・真偽のほどはわからないが、私はそう思っている。
→「蚤の市のタイル」、「タイルから始まる旅」、「岩松のまちをうろつく」
並べると古代の宝相華のような大柄な花模様が現れ、オリエンタルな雰囲気と藍色の高貴さが際立つこのタイルを
私は本当に気に入っている。あまり見ない模様のこのタイルが九州にまで流通していたとは、、、あぁ感慨深い。
そういえば、手持ちのタイルをここに持ってきて並べて写真を撮ろうと思っていたのにすっかり忘れていたな(爆)
面白いことに、ここの廊下に面してドアのない半間の男性用小便所と、ドア付きの和式便所が2セット並んでいる。
トイレが複数個所あるのは広い邸宅なら普通だが、旅館でもないのに2セット並んでいるというのは珍しいな。
そしてもう1ヶ所の方にもタイルが貼られている。こちらはタイルは床だけで、壁は人研ぎである。
床のタイルはもう一方と同じもの。便器の裏側にはパイプが通っておりその部分のタイルを切り欠いてある。
私の持っているタイルも同じように丸い切り欠きがある。
あぁ、素晴らしい・・・床に這いつくばって愛おしく眺め回す(笑)
ちなみに、個室の方は板張りでタイルはなかった。
トイレの天井を見上げると、通気口付きの折上げ格天井になっている。
あぁなんと美しいトイレだろう。。。
現地に「天井をご覧下さい」の張り紙があり、リーフレットにも天井の解説は載っているが、タイルについての言及は全くない。
もっとアピールしてもいいものなのに、タイルというのは工業製品だからか、木製の造作などと比べても
あまり注目されないのである。。。(哀)
トイレの奥にはお風呂場がある。広くて明るいので現代のお風呂かと一瞬思ってしまうが、五右衛門風呂である。
居蔵の館の紹介ではたいがい写真が載っている唐傘天井が見どころではあるが、タイルにも注目。
洗い場は滑らないよう無釉の八角形タイルが貼られている。壁の腰張りにはストレートエッジの白無地タイル、
役物のマジョリカボーダータイルで端部を縁取っているという、なかなかに見どころのあるタイル風呂だ。
洗面台も一見新しいものかと見過ごしてしまいそうになるが、フルタイル貼りの造作である。白タイルがまぶしい!
マジョリカボーダー。
中央から放射状に押縁が広がる傘天井は、天井板が少しずつずらして重ねられ、通気口の役割を果たす。
庭に張り出すように作られたこの小さな部屋は、出窓に細かい格子がはまっていて、瞑想するにはぴったりな感じ。
茶室のような趣きで床の間もあるが、浴室に隣接しているということは脱衣所なのだろうか?尋ねるのを忘れた(汗)
この部屋にこもってあのトイレをちょいちょい眺めて暮らす・・・いいねぇ(笑)
2階に上がってみよう。
吹き抜けの周りをぐるりと4つの部屋が取り囲んでいる。
風通しがよく気持ちいい2階の部屋。
床柱は赤松かな。
1階の通り土間を奥へ抜けたところにある半屋内の台所。
その奥にもう一つ五右衛門風呂があった。埃だらけだがよく見ると床にモザイクタイルが部分的に貼られていた。
(割ときれいに見えているのは、私が埃を払ったからである。笑)
床全体に隙間なく敷き詰めるのではなく、ユニット貼りされたモザイクタイルを1枚のタイルのように間を空けて
貼っているのは面白いなぁ。タイルの枚数は少なくても、むしろ模様として目立って装飾的には効果が大きい。
現在物置のようにいろいろモノが置いてあり、見せているつもりはなさそうだが(苦笑)、特に立入禁止でもないので、
タイル好きならこちらもちゃんと見てあげたい(笑)
続く。
伝建地区に建つ居蔵の館は、「居蔵家」と呼ばれる筑後吉井の重厚な白壁の土蔵造りのまちなみを代表する建物。
何と言ってもここの見どころは奥のトイレである。渡り廊下を通って離れの方へ進んで行くと、、、うわぁ~~~っ!!
いきなり目に飛び込んできた男性用小便所のタイル!!
なんと、このトイレは現役のようだ。えっ、もしやつい今すれ違った男性は・・・嬉しいような、困ったような・・・(汗)
便器はレトロな筒型だが確かに古いものではない。
壁の腰張りには北海道の栗山町の小林家や三朝温泉の木屋旅館、北海道開拓の村の近藤医院などでも使われている、
幾何学模様のマジョリカタイル。緑色が鮮やか!
そして床のタイルは、、、あぁこのタイルが私は大好きなのだ!!以前関西蚤の市にふらっと行った時に見つけて買った
タイルと同じもので、「日本の洋館 明治篇」に載っている宇和島の岩松にある旧小西荘三郎邸のトイレのタイルとも同じ。
浅い陰刻を施した上に手描きで着色した、明治中期以降の瀬戸製半乾式本業タイルである。
尚、旧小西邸は長らく無人で放置されていたが、トイレのタイルは今も無事に残っており、この度ようやく修復工事の
メドがついたそうだ。もともとお風呂場にも同じタイルが貼られていたが、現役住居のときに改修されてしまったらしく、
そのとき剥がされたタイルが私のところに流れ着いたのでは・・・真偽のほどはわからないが、私はそう思っている。
→「蚤の市のタイル」、「タイルから始まる旅」、「岩松のまちをうろつく」
並べると古代の宝相華のような大柄な花模様が現れ、オリエンタルな雰囲気と藍色の高貴さが際立つこのタイルを
私は本当に気に入っている。あまり見ない模様のこのタイルが九州にまで流通していたとは、、、あぁ感慨深い。
そういえば、手持ちのタイルをここに持ってきて並べて写真を撮ろうと思っていたのにすっかり忘れていたな(爆)
面白いことに、ここの廊下に面してドアのない半間の男性用小便所と、ドア付きの和式便所が2セット並んでいる。
トイレが複数個所あるのは広い邸宅なら普通だが、旅館でもないのに2セット並んでいるというのは珍しいな。
そしてもう1ヶ所の方にもタイルが貼られている。こちらはタイルは床だけで、壁は人研ぎである。
床のタイルはもう一方と同じもの。便器の裏側にはパイプが通っておりその部分のタイルを切り欠いてある。
私の持っているタイルも同じように丸い切り欠きがある。
あぁ、素晴らしい・・・床に這いつくばって愛おしく眺め回す(笑)
ちなみに、個室の方は板張りでタイルはなかった。
トイレの天井を見上げると、通気口付きの折上げ格天井になっている。
あぁなんと美しいトイレだろう。。。
現地に「天井をご覧下さい」の張り紙があり、リーフレットにも天井の解説は載っているが、タイルについての言及は全くない。
もっとアピールしてもいいものなのに、タイルというのは工業製品だからか、木製の造作などと比べても
あまり注目されないのである。。。(哀)
トイレの奥にはお風呂場がある。広くて明るいので現代のお風呂かと一瞬思ってしまうが、五右衛門風呂である。
居蔵の館の紹介ではたいがい写真が載っている唐傘天井が見どころではあるが、タイルにも注目。
洗い場は滑らないよう無釉の八角形タイルが貼られている。壁の腰張りにはストレートエッジの白無地タイル、
役物のマジョリカボーダータイルで端部を縁取っているという、なかなかに見どころのあるタイル風呂だ。
洗面台も一見新しいものかと見過ごしてしまいそうになるが、フルタイル貼りの造作である。白タイルがまぶしい!
マジョリカボーダー。
中央から放射状に押縁が広がる傘天井は、天井板が少しずつずらして重ねられ、通気口の役割を果たす。
庭に張り出すように作られたこの小さな部屋は、出窓に細かい格子がはまっていて、瞑想するにはぴったりな感じ。
茶室のような趣きで床の間もあるが、浴室に隣接しているということは脱衣所なのだろうか?尋ねるのを忘れた(汗)
この部屋にこもってあのトイレをちょいちょい眺めて暮らす・・・いいねぇ(笑)
2階に上がってみよう。
吹き抜けの周りをぐるりと4つの部屋が取り囲んでいる。
風通しがよく気持ちいい2階の部屋。
床柱は赤松かな。
1階の通り土間を奥へ抜けたところにある半屋内の台所。
その奥にもう一つ五右衛門風呂があった。埃だらけだがよく見ると床にモザイクタイルが部分的に貼られていた。
(割ときれいに見えているのは、私が埃を払ったからである。笑)
床全体に隙間なく敷き詰めるのではなく、ユニット貼りされたモザイクタイルを1枚のタイルのように間を空けて
貼っているのは面白いなぁ。タイルの枚数は少なくても、むしろ模様として目立って装飾的には効果が大きい。
現在物置のようにいろいろモノが置いてあり、見せているつもりはなさそうだが(苦笑)、特に立入禁止でもないので、
タイル好きならこちらもちゃんと見てあげたい(笑)
続く。