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旧藤田家別邸和館

2019年10月の弘前の続き。

藤田家別邸はつい洋館にばかり目が行きがちだが和館もある。玄関部分が地味なのでスルーしそうになるが、こちらも見ておきたい。
初日の夕方に行ったときは閉まっており、受付で聞くと翌日のお茶会の準備のためで土日は見学できないというので、
月曜日に和館だけ見にあらためて行ってきた。続きで書いてしまおう。
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藤田家別邸和館は1937(昭和12)年築、1961(昭和36)年に現在地へ移築。(※弘前市のサイトの情報による)
移築って・・・元はどこに建っていたのか?もらったリーフレットにも弘前市のサイトにも書いていないので
検索してみたところ、元あった和館は1952(昭和27)年に火事で焼失してしまっており、昭和天皇が藤田家別邸に
宿泊されることが決まって、板柳町にあった「菊池邸」の建物を急遽移築したということらしい。→公式サイト
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藤田家とは全く関係ない建物だったのか・・・まぁしかし、移築された経緯も歴史のひとコマなわけである。
入ろう。玄関はシンプルながら、壁には玉杢の板が貼られ、式台は一枚板のようだ。
畳敷きの廊下を折れて奥へと進む。
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三方を廊下に囲まれた座敷は立入禁止で、廊下から中を覗き込むのみだが、さすがに格式の高そうな造り。
床脇の天袋は物入れになっておらず板に絵だけが描かれているな。
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半分の幅に畳が敷かれた廊下。板張りの部分は分厚そうな一枚板。樟かな?
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2間続きの座敷の中央には細かい目の筬欄間がはまっている。手前の部屋には取り外された建具が展示されていた。
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書院の欄間には菊の花と桐の透かし彫りがあるが、花びらは15葉、桐は五三の桐である。天皇家の菊紋は16葉、桐紋は五七の桐。
これが移築時に新たにあつらえられたものかどうかは不明だが、天皇に対して謙譲の意味合いで数を減らしているのだろうか。
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こういう欄干のような装飾も格式が高いと聞いたことがある気がする・・・
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廊下の一角に水屋があった。
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くねくねの竹が使われていたり、面白い造り。
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こんなところに炉もあるの!?変わっているな!
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さて、その隣にあった、廊下の戸。うわぁ~~きれいな透かし彫り!!
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逆光でよく見えないので反対側に回って見てみよう。こちら側からだと明るい。
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おぉ、これは・・・素晴らしいな!一枚板を彫ってある。葡萄の木にリスが遊ぶ図は洋風なイメージ。
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かわいいリス~~
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とても立体的で、もちろん両面から彫ってある。この葡萄のつるの重なり、板の厚みはせいぜい1.5~2cmぐらいしか
ないのに、すごく奥行を感じさせる。素晴らしいなぁ!!かなり高名な彫刻家が製作したと思われる。
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奥の座敷は折上げ格天井。床の間は琵琶床付き。
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格子の桟はダブルになっていて、クロスする部分に「井」の字型に金物を取り付けてある。
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これはななこ塗り(津軽塗)の箪笥。めちゃくちゃカワイイな!!
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一度衰退しかけた津軽塗りを復活させた、奈良丹次郎(丹斉)の作品。
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あぁ、和館もあきらめずに見に来てよかった!焼失した和館がどんなものだったのか気になるが。。。

ところでここは庭園も必見。洋館と和館のある「高台部」には広々した芝生のお庭が広がっているが、和館裏手の崖下の
「低地部」には、本格的な和風庭園が広がっている。写真が多くなってしまうが続きで紹介しておこう。
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崖の高低差は15mほどあるだろうか。いや、もっと高いか!?
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崖を生かして作られた滝や立体的な木立の間を山道のような散策路が回っている。
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何と立派な、三段の滝!
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眼下に広がるお庭を見下ろす。
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下へ降りてきて今度は滝と橋を見上げる。この高低差と奥行!!
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平地部分には花菖蒲が植えられた大きな池。梅園、茶屋もあり、広大な敷地である。
今までいろんな邸宅のお庭を見てきたがちょっとスケールが違うなぁ。
東京から庭師を招いてつくらせた江戸風の庭園だということだが、どのあたりが東京風なのかはあまり分からない(苦笑)
小石川後楽園に似ているような気も・・・(適当)
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崖地にはいちめんシャクナゲやツツジが咲くらしい。春には梅、桜、初夏には花菖蒲、秋には紅葉、、、
四季折々の風景を楽しめるという。その時は観光バスで大勢のお客が詰めかけるのだろうが。。。
この時は花のシーズンでなく紅葉にも若干早かったので残念だったが、人がほとんどおらず静かに歩くことができた。

続く。

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