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Channel: まちかど逍遥
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旧森山家住宅1

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2月の鹿児島の続き。


鹿屋から戻りしなに田中家別邸を再度訪問してじっくり見学したあと、姶良市の旧森山家住宅にやってきた。
ここはまだ限定公開で、見学には事前の連絡が必要。役所の人が時間に合わせて来てくれるので基本平日となる。
今回は月曜に休みを取っての2泊3日なので最終日の見学はちょうどよかったな。
場所がとても分かりにくくてぐるぐる迷ったが、、、


森山家は江戸時代から明治にかけて鋳物業を営んできた家で屋号を鍋屋といった。
「加治木鍋屋元祖」森山伊助の三人息子がそれぞれ鋳物業を継ぎ、屋号は「山一」「山二」「山三」とした。
森山家は薩摩藩の事業にも深く関わっており、奄美の黒糖生産用の釜や機械類を作ったり、集成館事業の大砲鋳造や
「加治木銭」の鋳造を請け負ったりしたようだ。
この家は次男の家であり、土蔵の屋根の上に山二のマーク入の瓦が見られる。


敷地内に主屋、蔵、作業場の3つの建物が残っており、元は現在駐車場になっている場所や隣地まで工場があったとか。
鋳造業はもう昔にやめておられたが、数年前までご当主がお住まいだった。姶良市では譲渡された建物の一般公開に
向けて調査や整備を進めているところだという。→姶良市のサイト

ただしこの立派な薬医門は、実は古いものではなく、高名な医者だった祖先をリスペクトして2000(平成12)年に
作られたものだそう。


塀の内側を見ると凝灰岩積みであり、これは元からあったもののように思われる。


さて、主屋へ・・・入口の引戸が2つあるのは風変わりだな。


左側の戸から入ると中は土間だが、その右側に一段上がったところに玄関らしい玄関が造られている。


玄関は土間からも上がれるし、右側の引き戸を引けば外から直接入ることもできるが、20cm程度の段がある。
元は土間と玄関の間に壁があって別々になっていたのだろうか?それとも右側の戸は後付けなのか?


玄関の床がモザイクタイル貼りなのは、近年までお住まいであったので改修されていたのだな。
富士山をあしらった格子窓があり、上がり框の上で閉められるようにガラス入りの戸がついている。




田の字配置の部屋は建具が開け放たれていた。
おぉ、凝った欄間があるな。壁は深緑色の落ち着いた色で、木部も濃いあめ色。




庭に面した奥座敷がまたいい。


廊下との境の欄間の格子が細かい!!


うわぁ~~見事だな!


庭に面した縁側の軒を支える幅の広い桁。その下は、無双窓?


そして、床脇と一体になったような書院が面白いな。それが床の間とL字型に配置されている。
天袋は台形、書院の側面にも格子が入っている。




続く。

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