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Channel: まちかど逍遥
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台北賓館のビクトリアンタイル2

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3月の台湾の旅の続き。

台北賓館の暖炉のタイルを見ていく。


マントルピースも木製だったり、大理石でできていたり、デザインも様々。同じものはどれひとつとしてない。
これはもうほとんど家具。凝った形の棚が一体になっている。


ひとつひとつデザインして職人さんに作らせ、タイルも指定したのだろうか。今なら既製品をはめ込んだり
セミオーダーのように部分的なアレンジで済ませてしまうだろうが、いやはや途方もない労力とお金をつぎ込んでいる。




そしてこのタイルはちょっと変わっている。


レース模様の下地に貼り付けたように模様が薄く盛り上がっていて、その上から全体的に釉薬をかけたような感じ。
こんなタイルは初めて見たけど、ビクトリアンタイルにはこういったものもあったのだろうか。


こちらのマントルピースはデザインが比較的シンプルなのだが、実はいちばんゴージャスなレリーフタイルがあった。
手前にロープが張られ、しかも前に家具が置いてあったのでとても見にくいのは、いたずらされないようにわざと
隠しているのだろうか・・・


葡萄の実と葉がこぼれ落ちんばかりのふくよかな表現。釉薬溜まりによる陰影がくっきりと出て立体を際立たせている。
上下の2枚は葉のみのデザイン。


イギリスでは、部屋の中心、家族団らんの中心にある暖炉を、趣向を凝らしたタイルで飾るために華やかなタイルが
発達したのだな。
ビクトリアンタイルが日本に入ってきても、日本の家にはもちろん暖炉などないから、あまり使い道がなかった。
台湾ではうまく独自の使い道を見つけたものだ。そうして和製ビクトリアンタイル=マジョリカタイルは日本国内向け
よりも輸出用として伸びていく。


こちらは銅板転写タイルの極めつけ。


上の2枚は精緻な小鳥が描かれたタイル。貼る方向を90度変えたら別のデザインみたいに。
下の方は水仙かな、2枚で一組の組タイル。


足元も繊細な花模様。同系色の単色のレリーフタイルを効果的に使っている。


そしてこちらはひときわ華麗な彫刻が施された、大理石と木材のコンビネーションのマントルピース。
レアな色のタイル。。ただし他のタイルとは違ってプリントタイルっぽいな。


イタリアタイルっぽい、デザインと色。床も新しそうだし、ここだけは貼り替えたのかな。






私が見た暖炉は以上であるが、あと7ヶ所はどこにあったのか・・・それに暖炉以外にも素晴らしいカーテンボックスや
寄木床や調度品、照明器具・・・などなど、タイル以外をあまりゆっくり見れていない。
写真もブレブレだし、もう一度見に来ないといけないな。


続く。

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