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リベンジ!剥皮寮

台湾の続き。

最終日、三峡から台北に戻ってきてからまだ少し時間があるので、剥皮寮へ行ってみることにした。
ここも友人に教えてもらったスポットで、実は昨日の午前中にも一度来たのだが、月曜日で休館だった。
ショック。。。結構長い距離を歩いて来たのに・・・ということで、リベンジ!
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剥皮寮は、現在の萬華区の、康定路・広州路・昆明街に囲まれた地域を指し、石炭の集散地であった「土炭市」に
ほど近い場所だったため商業が盛んだった。台北市内で清代のまちなみが最もよく保存されている地域のひとつだとか。
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その名前からちょっとおどろおどろしいイメージを勝手に持っていたが(笑)、捕まって皮を剥がれるようなことは
全くなかった(爆)
もともと清代には「福皮寮街」と呼ばれていたのが、似た音の「剥」皮寮と呼ばれるようになったらしい。
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広州街に面した建物は、亭仔脚(アーケード)をもち隣と壁を共有する長屋型式で、独立したファサードデザインは
日本統治時代の流行であったバロック式の豪華な装飾は少なく、装飾はあっても比較的シンプルな形だ。
清代のまちなみと言うよりどちらかというとファサードはその後適宜更新されてきたもののように思える。
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日本統治時代の都市計画で剥皮寮の敷地が隣接する老松小学校の用地とされ、開発が抑制されたことにより、
昔ながらのまちなみが残った。
これは隣接する老松國小。連続アーチが素敵。
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東西に長い剥皮寮は運営が2つに分かれているようで、西半分はアートスペースなどとして使われていた。
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まず西半分から見ていこう。空き室も多いが、建物そのものをじっくり見ることができる。
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これは西門や台北城壁の構造と同じような「條石」を積み重ねた構造だな。まちなかの民家の壁もこのような石積みが
使われていたのか。レンガ造か木造と思っていたが。
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剥皮寮の一角を康定路173巷という路地が貫いている。※写真は昨日来たときのもので「今日休館」の文字に愕然(汗)
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裏通りであるこの路地から、大通りに面した店舗の裏側を見ると、表側とは全く違った表情が見られて面白い。
各店舗自由奔放に行われた改修増築も斬新でファサード以上に多様だ。
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剥皮寮のある、旧台北城の西側エリアの発展の歴史にスポットを当てた展示が行われていて、古地図や日本統治時代の
都市計画図などいろいろ展示されており興味深く見る。
台北の市街地の起源とも言える艋舺(現在の萬華)と、その後発展した大稲埕に挟まれた西門町の場所は長らく
湿地帯であったが、日本統治時代に台北城内と共に開発が進められ、城壁が撤去されて加速的に市街地化が進んだ。
この地図では、西門エリアが淡水川の蛇行跡だったことがはっきり見て取れる。
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また別の部屋で行われていた展示がめちゃくちゃ面白かった。まず北門周辺の景観の変化を写真で比較してある。
昨日そのあたりを歩いて、青空をバックに堂々と立つ北門を見ていたところであり、今まで全く印象に残って
いなかったことをちょっと不思議に思っていたのだが、この写真を見て納得。そう言えばこのあたり、道路が
立体交差していたんだったか。だからその先へあまり行く気にもならなかったんだな。北門も窮屈そう。
高架道路車には便利だが、地上を歩いている人にとっては急に見通しが悪くなり暗くなるので、高架の側道はあまり
気持ちのいいものではない。
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それが、高架道路が消えて今のような明るく広々した道路空間に変貌!!すごい変わりよう。
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工事中の写真もあって、かなり大掛かりな工事だったようだ。
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そして高架を取り除く工事のプロセスをCG映像で表現してあったのだが、これがめちゃくちゃ面白いのだ。
台北駅の少し西側から淡水川までの間が高架道路になっていたが、工区ごとに違った工法が取られた。
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高架の桁を分割してクレーンで下ろし撤去する作業が、CGアニメーションではあっという間に進んでいく。
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北門付近ではまず北門を防護する壁が作られた上で作業が行われた。
実際交通のある大交差点のど真ん中での作業であり、かなり困難な工事だっただろうと想像する。
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調べてみると、何とこの工事は2016年の旧正月中に突貫で行われたらしい。そして「北門広場」は2017年の
7月末に竣工したばかりだった。ははぁ!あのあたりの風景が新鮮に感じられたはずだな!

これにより北門は再び日の目を見ただけでなく、台北の、台湾の新たなランドマークとなった。
台北郵局と鉄道部の華麗な建物が晴天の下向かい合い、市民や観光客が歩きながら台湾の歴史に思いを馳せることができる
スポットとなったのだ。素晴らしい!!
あぁ、すごいことを短期間のうちにさらっと実現してしまう台湾。日本でも東京の日本橋の上の高速道路を撤去する
計画だが、台湾は1歩も2歩も先に進んでいる!

工事中の写真が載っているサイトを見つけた。いかに大工事だったかが実感できる。高架ができる前の写真も。→こちら

他にも、台鉄の線路が地上にあった時代の風景写真なども展示されており、興味津々!
これは1989年の写真。台北駅のホームがまだ地上にある。すでにホームの一部が廃止され地下化工事が進んでいる。
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これは鉄道部の建物の目の前に踏切があった1940年代の写真。蒸気機関車が走っている。あぁ、すごい風景!
先日の「台北駅周辺の風景」の記事に載せた写真とほぼ同じアングルだ。
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この展示室だけでずいぶん長いこと滞在してしまった(笑)。いや~面白かった。この展示を本にして持ち帰りたいぐらい。
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TRレンガが敷き詰められた中庭スペース。
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東半分は「台北市郷土教育中心」となっており剥皮寮の歴史や昔の暮らしなどについて、子供が遊びながら学べる
しかけがいろいろ工夫されていて、こちらも親子連れなどでとても賑わっていた。
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古い建物をリノベーションして生かすことがほんとにうまいなぁ。どんどん街が楽しくなる。
あぁ、リベンジで再訪してよかった!
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おまけ。剥皮寮の近くで見つけた素敵なタイルたち。
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宿に戻り、新しくできたMRT空港線でスイ~っと帰途につく。
あぁ、何度来ても新たな発見がある。来るたびに好きになる台湾。また来よう!

終わり。

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