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Channel: まちかど逍遥
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基隆の近代建築(台湾)

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基隆の続き。

陽明海洋文化芸術館の並びにある海港大楼は、基隆港合同庁舎として1934(昭和9)年に建てられた大きな建物。
敷地の角部分にエントランスを配し、円筒形の塔屋を載せる。水平ラインを強調したモダニズム建築だ。




海港大楼は、基隆市の近代化における重要な節目を示す建物として、歴史建築百景に選ばれている。


表現主義的な楕円形の窓が目を引くな!


エントランスの柱や梁には大型のテラコッタが使われている。


ドアが開いていたので中へ入ってみると、円形のホールに大理石の柱が2本セットで4ヶ所に
立っている。変わっているなぁと思いながら見ていると、席を外していた警備員のおっちゃんが戻ってきて、
何やら言っている。やっぱり入ったらダメだった?


写真を撮ってもよいか、と身振りで尋ねているところにうまい具合に日本語の分かる職員のお姉さんが通りかかり
警備員のおっちゃんとの意思疎通を手伝ってくれて、ここのホールだけなら写真を撮ってもよいと許可をもらった。
隣の陽明海洋文化芸術館とは違い、現役の官庁(基隆港務局/基隆税関合同庁舎)のようだ。


ホールの中央にぶら下がっているのは、龍をかたどったデザインの照明。
ドアまわりの赤色使いなど、内部はちょっとモダニズムとは違う中国っぽさを感じる。


一方、柱に取り付けられたブラケット照明は真鍮製でアールデコっぽいな。

謝謝、とお礼を言って出ると警備員のおっちゃんはにこやかに見送ってくれた。

さてこの建物とつながったこちらの棟は、また別のオフィスらしく、独立したエントランスがある。
「経済部標準検験局基隆分局」。経済部とは日本でいう通産省にあたるのかな?輸出入品の検査を司る機関のようだ。
こちらはシャッターが閉まっていた。土曜日だからお休みなのだろう。


大きな逆台形の柱頭と、左右のアーチ窓にはまった放射状の面格子がインパクトあるな!


この部分は何か取ってつけたようにも見えるが、はじめからつながっていたのか、後からつなげたのか??


その隣に建つ郵局は装飾ほとんどなく簡素な建物だが、角がアールになっていて隣接建物と調和した
まちなみ景観を作っている。
2~3階の窓が小さい独特の外観は、郵便の荷物を仕分けをする作業場だからだろうか。




上の写真で奥の正面に見えるのは旧駅舎の目の前に建つ国光客運のビル。戦後建築だろうがなかなかカッコイイ。
1階から3階まで貫く柱や2階に横一列にはめ込んだ大型ガラスなど、形は斬新だが、赤茶色のパネルが
レンガ建築のようにも見え、レトロな印象とモダンな印象が同居する。

しかしかなり古びてきているので、駅前の再開発でどうなるか分からないなぁ。。。

いやはや、なかなか見ごたえのある一角だった。

続く。

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