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Channel: まちかど逍遥
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天草・熊本の旅 前田家別邸

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熊本の続き。

車で走りながら、今日の宿に到着時間を知らせるために電話したら、おかみが「今日はどうされますか」と。
台風のため停電になるかもしれず、電気が止まると水も温泉も使えないので食事も作れない、
トイレも使えない。もしキャンセルするなら手数料は無料でいい、と言うことなのだが、
何をおっしゃる、私たち行く気満々だし、逆に放り出されたら路頭に迷ってしまうじゃないの~~
ご了承下さいとか言われても困るんだけど~~(汗)

果たして、おかみの心配は全くの杞憂に終わり、素敵な宿で優雅な滞在を楽しんだ。
温泉は内湯のみでこじんまりしていたが、かけ流しのお湯は気持ちよく、浸かりながら寝て
しまいそうになったほど(笑)


ごはんがまたおいしかった!!旬のものを使って趣向を凝らしたお料理の数々。かなり腕のいい
料理人さんがおられるのだろう。満足満足!!




この宿は創業明治元年という老舗。夏目漱石にゆかりがあり、近くには「草枕」の舞台になった
「前田家別邸」がある。


泊まった二間続きの和室はシンプルだが広く快適。翌日館内をちょっと探索したところ、二階に古い広間があり
こんな書院の格子も見られた。


モノが置かれていて今は使っていないような雰囲気だったが、宴会のある時はどけて使うのかな?


さて翌日はすっかりいいお天気!!台風は西へそれたようだ。ラッキー♪今年の私はツイている!

山口県のガードレールはみかん色だったが、熊本は緑色!?

朝食後の散歩で前田家別邸を見に行く。当主の前田案山子とは、自由民権運動の闘士で、この別邸には
全国から同士がやってきて会合が開かれていたとか。一方で温泉宿としても開放され、人気があった。
熊本の旧制五高の教授であった夏目漱石も数日間滞在し、この旅をモデルに小説草枕を書いたのだという。

ぱっと見とてもきれいになっていて、復元されたのだろうと正直あまり期待もしてなかったのだが・・・

右側の建物は浴場だった。覗いてびっくり!!確かに上の小屋組み部分は復元されているようだが
浴槽は古いまま残っていた。別府の浜田温泉を思い出した。
浜田温泉と同じように階段をとんとんと下りた半地下に浴槽があり、上は吹き抜け。
男女別の大きな浴槽は温泉旅館だったからか~。個人宅ではありえないわな。。


そして壁には色とりどりのタイルが貼られているじゃないの~!


写真を拡大して見たところ、菊の花が描かれたもの(手描き?)や輸入物と見えるプリントタイルなど。
思わぬタイルとの出会いにゴキゲン~~


前田家別邸の本館は取り壊されてしまっているが、少し高台になった離れの一部が残っている。
敷地内でさっきの浴場とこれほどの高低差がある。


この離れに夏目漱石が泊まったらしい。二方向に回廊があり、美しいお庭を眺められる。




廊下の側から、にじり口風の小さな入口があり、床にも同じような形の開口部が設けてあるのが面白い。
この部屋には炉が切っていないね、とTさんが言う。確かに・・・茶室でないなら、単なる遊び心だろうか。


青磁色の焼き物の釘隠し。象嵌のようだ。美しい~!

朝から結構楽しめたな。

続く。


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