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Channel: まちかど逍遥
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鳥取の近代建築めぐり

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三朝からの続き。

三朝から鳥取までもたっぷり1時間。
まずはちょっと山手の方の物件から見ることにして、公園の向かいにあるグランドアパートを目指す。
うわぁ!アパートってこれ!?なんだか映画に出てきそうな洋館じゃないの。
空き家のようにも見えるが、車が停まっているし玄関まわりは住んでいる気配がある。


アパートらしくないのはそのはず、旧佐々木家という邸宅だったらしい。
見ると隣の家も反対側の隣も洋風の屋根だったり洋室付きだったりする。
この辺はちょっとセレブな人々が住む場所だったのだろう。


第二次大戦後には接収され進駐軍将校の宿舎になっていたとか。


そのあと県庁に車を停め仁風閣を見に行く。
昼食を12時に鳥取駅近くのたくみ割烹で予約しているため、見学はかなり駆け足となってしまうが、
外すわけにはいかない。気が急くときに限って、周辺を工事しているせいでぐるりと反対側まで
回り込まねばならない(汗)。

広い芝生の庭の中央に建つ白亜の洋館はまるで外国のお城のようだ。
1907(明治40)年に皇太子行啓のために造られた。
青々とした芝生の奥に日本庭園もあり、ウェディングの撮影が行われていた。

外観をぐるっと見て回った後中へ入る。
明治の迎賓館なので本格的な洋風意匠が満載である。モールディングがめぐらされた高い天井、
ゴージャスな装飾のついたカーテンボックス、腰板張りの壁。そして暖炉も必需品。


いくつかの暖炉にはタイルが貼られていた。
御座所という一番豪華な部屋の暖炉に貼られていたのは美しいグリーンのタイル。
イギリス製のビクトリアンタイルだ。フラックスマンという有名な陶芸家の作とか。

右側には王子、左側には王女の顔のレリーフがあるらしいが、この部屋は立ち入り禁止のため、
王女の顔は拝めなかった。

こちらの畳敷きの部屋の暖炉にもタイルがあった。


銅版プリントタイルと思われる。


塔屋の部分には美しいカーブを描く螺旋階段が。残念ながらここも立入禁止だった。


そろそろ行かないと時間がヤバイ・・・
ここから県庁に置いた車まで戻るか、それともバスかタクシーでまっすぐたくみ割烹まで行くか。。。
仁風閣から駅前までは2kmぐらいあるので12時には完全に間に合わない。
しかしその途中にチェックしている近代建築が2件ほどあるのでそれを見がてら歩いて行こうとの案が。
たくみ割烹は混んでいて遅れたら迷惑がかかるんじゃないかと小心者の私はドキドキするのだが、
連絡一本、合理的な行動を貫くmayumamaさん(笑)。


おかげで見れたのがこれ、わらべ館(旧県立図書館)。


そしてこちらの五臓円ビル。「五臓円」とは物々しい名前だが、薬局だったようだ。


鳥取市内に現存する最古の鉄筋コンクリート造建築という。渋い外観にピンクの縁取りが
ちょっとかわいすぎる。。。今はギャラリーやカフェの入ったまちの拠点となっているという。


明るい緑やベージュなどミックスカラーのスクラッチタイルは商船三井築港ビルのタイルと似ているな。
いろんな色合いが混じって深い味のある質感を作り出している。


階段の手すりの穴に嵌っている格子は意味ありげな模様。木のようでもあり錨のようでもあり
文字のようでもあり。。。


続く。



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