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鈴木薄荷

3月の洋風建築めぐりは神戸にある鈴木薄荷株式会社。阪神大石と新在家の間の住宅地の中に、
その建物はあった。第一印象は、「なんちゅう色!?」(笑)
コーナーを回ったエントランスのひさし以外はそれほど特徴もない割と地味な建物だけに、
この南国カラーは、どういう意図なのか??
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1~2階が工場ということで、ドアを入った途端、ハッカの香りに包まれて鼻がスースー、いい香り!

鈴木薄荷は、鈴木商店の流れを汲む会社。
鈴木商店とは、明治2年に神戸で創業し大正期には日本一の年商を誇った財閥・総合商社であったが、
昭和2年に破綻した。多角経営を極めていた鈴木商店の事業会社を引き継いで今に至る企業は、
日本の経済を牽引してきたそうそうたる顔ぶれである。鈴木薄荷も番頭の一人が独立した会社なのだとか。

3階は狭いながら、柱周りや天井にキュビズムやアールデコの意匠が見られる瀟洒なオフィスである。
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こんな意匠はあまり見たことがない。
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元はホールだったのか、舞台の袖部分にもレリーフが見られた。
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屋上にも上らせて頂いた。周りが低層の住宅地なだけに明るく見晴らしが良い。昔はすぐ近くに海が見えたという。

ハッカの苦手な人もいるが、私はハッカ大好きなので、始終くんくんしながら社員の方の説明を興味深く聞いた。
雑草のようなハッカの草を蒸留することで成分を取り出す。和種ハッカはペパーミントなどの洋種よりも
メントール成分が多く含まれているというが、それでも甲子園球場の広さの畑からドラム缶1個分しか
とれないといい、荷が薄くなるから「薄荷」の文字を当てたという説も。

現在インドの提携農場で栽培した和種ハッカを現地で蒸留、日本へ運んでこの工場で精製しているのだとか。
こんな普通のまちなかで?とびっくり。昔は六甲道の駅で降りたらハッカの香りがしたというから
町じゅうがさわやかなアロマに包まれていたに違いない。

製品として、ハッカ油は知っていたが、メントールの結晶というのは初めて見た。
タバコや食品の原料として卸しているそうだ。
うれしいことに、ハッカ油と結晶の瓶入りセットをお土産に頂いた!当初からのものというかわいいラベル。
部屋のアロマやお風呂に数滴、ミントティにも使ってみよう。
いやー今回は結構、建物よりもハッカの方が興味深かった(苦笑)。できれば工場見学もしたかったなぁ。
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あの外壁は、国防色になっていたのを建築当初の色に戻そうとしたつもりが意図せぬ明るい色に
なってしまったのだとか。
講師の川島先生によるとオリジナルはサンドベージュのような色らしいが、ハッカのイメージで
薄めのミントグリーンとかどうかな!?


このあと魚崎へ移動して、旧魚崎町役場を見に行ったのだが、こちらもまたド派手なピンク。
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なんでこんな色にするかなぁ~~

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