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Channel: まちかど逍遥
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佐田岬半島の石垣、再び(5) 大佐田・井野浦・三崎

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釜木からの続き。

大佐田集落に再びやってきた。ここは前回訪れたのだが、車で集落内に入り神社とお墓を見ただけで、
海沿いに建ち並ぶこれらの建物のことは、普通の民家が並んでいるぐらいにしか意識していなかった。


奥行き方向に長い寄棟屋根の2階建ての建物に、手前へ片流れの屋根をもつ前室がついている。
そんな建物が10棟以上並んでいるのだ。
こんな特徴的な形の建物なのに、あぁ、私の目は節穴だった(苦笑)


これは船蔵であり、松の船小屋と同様縦列で2艘の船が収容できるようになっていて、2軒で1棟の船蔵を
シェアしているのだそうだ。そして住居はその背後に建っており、船蔵が防風の役割を果たしている。
船蔵は船小屋と違って壁があり戸がある。トタンで改修されているものもあるが古いものは、
瓦屋根、板壁で、前室の側壁がない。前室はもとは単なるひさしだったのが進化したのかもしれない。


ここに格納された船は漁業用でなく、なんと農業用の船なんだとか。
平地がわずかな佐田岬半島では、集落から離れた場所に農地を持つ場合があり、船で畑へ出勤するという、
驚くような生活スタイルがあった。まさに海が道であり、船は車だったのだ。


さすがにそういう生活はもうなくなり、今は車や農機具などが収納されているそうだ。
このような船蔵は高浦集落にも1軒残っているが、もう貴重な景観である。


次に、こちらも前回行った井野浦。石垣に囲まれた魅力的な納屋群に目を奪われ、そこからあと数十m
先に見どころがあるとは全く気づいていなかった。。。


これは石垣に囲まれた畑。区画ごとに腰の高さぐらいの石垣が積まれている。


畑にはサツマイモが植えられていた。こんな低い石垣で防風の役割を果たすのかと疑問に思ったが、
サツマイモ目線で見ると(笑)確かに風を遮ってくれている。




「畑の石垣は風当たりを軽減するために海岸線に対して角を向けています。」
言われてみれば、確かにそうなっている。そうすると端には三角形の区画ができることになり、ぱっと見
非効率に思えるが、ものの形はすべて理由があるのである。


さぁ最後に、前回も行った三崎にある高神様の石垣を見に行こう。
途中までは前回歩いたことのある道を車で走るが、途中からはヨソ者には分からない道へ入って行き、
三崎集落を見晴らせるこんもりした高台に到着。


そこには背の高い木が生えており、幹ごと石垣に巻かれている。
高神様とは何の神様なのかよくわからなかったが、この木がご神木なのだろうか。


ずっと昔から村を見守ってきたシンボリックで神聖な場所に違いない。


この日は残念ながら曇っていたが、お天気がよければ格好のサンセットビュースポットなんだろうな!


続く

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