台湾の続き。
この日日本の友人のTさんが1日遅れで台北入りし、士林官邸で合流することにしていた。
それまでまだ少し時間があるので、MRTで蘆州まで移動し、中国式の古い邸宅、李家を見に行く。
蘆州は2010年に開通したMRT中和新蘆線の終点の駅で、駅前には高層マンションがニョキニョキと建ち、
現在は郊外のベッドタウン化が進行しているよう。李宅古蹟は駅から10分ほど歩いたところにあり、やはりマンションに
囲まれてそこだけ窪地のようだ。
ちょうど遠足の子供たちと一緒になってしまったが(苦笑)、建物の中にはこの中国建築の建築方法や構造について
詳しく書かれたパネルが展示されていてとても興味深かった。
最初に建てられたのは1857年頃で、その後1895年頃に拡張。家族ごとの住まいである護龍が中庭を介して
左右に増築され、三座四合院という型式になっている。
主な建築資材は石、木材、レンガ、瓦など。石材は北投あたりで採れる砂岩系の「唭哩岸石」で、これは
台北城や北門、剥皮寮など台湾北部各地で使われている。拍子木状の石を互い違いに積む方法も同じ。
いちばん外側の壁が石積みでその厚さは45cmもある。一方内部の壁はレンガ積みでもっと薄い。
これは外部に対する防御性を考慮したものである。
木材は中国から船で運んできた福州杉が使われた。川から少し離れているこの場所まで、村人たちの集団労働により
運河を掘って運んだという。実際の建築工事以外にも多くの費用と労力と時間が割かれているのだ。
漆喰壁の中には細い竹のような草の茎が密に編みこまれていた。
レンガは中国風のものでなく、220x110x60と日本のレンガに近い寸法のものが使われている。
時代が古いためタイルはなし。他の装飾も比較的少ない。
平面構成や雨水の流路などが風水に基づいているのはもちろんのこと、尺寸の決定も風水によって縁起のよい数字が
採用されているとは驚いた!風水は奥が深いなぁ~!台湾民居も面白い。
さてそろそろ士林へ向かおう。
結局お昼を食べ損ねているな。。。MRTの士林駅から歩きながら、タピオカミルクティーで小腹を満たす(笑)
徒歩5分ほどで士林官邸公園に到着。この敷地内に官邸があるようだ。夜市には来たことがあるがこの建物のことは
これまで知らなかったな(汗)。公園は観光バスも乗りつける一大観光地になっている。
公園の入場は無料。歩いていくと、「慈雲亭」という展望台への案内矢印が出ていた。ちょっと行ってみようか。
しかし・・・森の中へ入り込む石段は結構急勾配でめちゃキツイ!!ゼイゼイ・・・あぁやっぱりやめとけばよかったかな(苦笑)
少し上ると展望台が見えてきた。ふぅ~~!石段が終わったところでひと息ついたとき、目に飛び込んできたものは、
シンガポールのブキットブラウン墓地で見たような、亀甲墓。それがひとつだけぽつんと、展望台の
手前にあった。
あっ、と思って見に行くと、やっぱりあった!!マジョリカタイルがお墓の前面に貼られているじゃないの!!
さっきまでの息切れはどこかへ飛んで行った(笑)
日本製のマジョリカタイルだ。他の観光客が慈雲亭へ上っていくのを尻目にひとり喜んでお墓の写真を撮っているところに、
Tさんが登場。おぉ~、来たね!!台北故事館から士林官邸へは中山橋を渡ってすぐ、タクシーで5分だったとのこと(笑)。
うまく合流できてよかった~~
慈雲亭は1963年に造られたRC造の二階建てのあずまや。一応上ってから別の小道を歩いて官邸の方へ向かう。
朝一度家に帰った友人も再びやって来て3人で士林官邸を見学。
士林官邸は1950年に建てられ、蒋介石前総統が1975年に亡くなるまで26年間住んだ巨大な洋館邸宅。
外観が黒っぽい色なのは防空色なのだろうか。
官邸内部は写真撮影禁止。え~、入場料100元と結構するのに、それは残念。。。
日本語の案内ガイド機器を借りて部屋ごとに説明を聞きながらゆっくり見学。夫妻のプライベート生活の様子が
親しみを込めた調子で語られる。
建物は完全な西洋スタイルで生活も西洋式だったようだ。家具などのインテリアは中国風のものも取り入れてられている。
夫人は大変有能な人だったらしく、インターナショナルで多趣味で、絵の才能はプロ級。邸内のそこここに直筆の絵が飾られていた。
部屋数も多く、当時の超セレブな暮らしがありありと想像できる展示は見ごたえがあった。
そのあとは広い公園内に点在する建物を見に行こう。官邸公園は1996に初めて市民に開放されたので、
当初の自然景観を完全に残しているという。
こちらは1950年築の凱歌堂、チャペル。夫妻はキリスト教信者だった。
エントランスにモザイクタイルが。
こちらの園芸館は総督府の園芸試験所だったとか。
蒋介石夫妻の好きな花々が植えられた西洋風の広い庭園は、今も美しく手入れされており、台北市内随一の花の名所と
して人気だという。温室とバラ園もあるらしいが疲れてきたので中へは入らず、予約してある夕食の店へ向かうことに。
これはセメントレンガか、鉱滓レンガだろうか。
官邸公園の森の陰に静かに佇む日本風の家屋。玉石積みの門柱が素敵だなぁ。人が住んでいる家は古くても美しく保たれている。
続く。
この日日本の友人のTさんが1日遅れで台北入りし、士林官邸で合流することにしていた。
それまでまだ少し時間があるので、MRTで蘆州まで移動し、中国式の古い邸宅、李家を見に行く。
蘆州は2010年に開通したMRT中和新蘆線の終点の駅で、駅前には高層マンションがニョキニョキと建ち、
現在は郊外のベッドタウン化が進行しているよう。李宅古蹟は駅から10分ほど歩いたところにあり、やはりマンションに
囲まれてそこだけ窪地のようだ。
ちょうど遠足の子供たちと一緒になってしまったが(苦笑)、建物の中にはこの中国建築の建築方法や構造について
詳しく書かれたパネルが展示されていてとても興味深かった。
最初に建てられたのは1857年頃で、その後1895年頃に拡張。家族ごとの住まいである護龍が中庭を介して
左右に増築され、三座四合院という型式になっている。
主な建築資材は石、木材、レンガ、瓦など。石材は北投あたりで採れる砂岩系の「唭哩岸石」で、これは
台北城や北門、剥皮寮など台湾北部各地で使われている。拍子木状の石を互い違いに積む方法も同じ。
いちばん外側の壁が石積みでその厚さは45cmもある。一方内部の壁はレンガ積みでもっと薄い。
これは外部に対する防御性を考慮したものである。
木材は中国から船で運んできた福州杉が使われた。川から少し離れているこの場所まで、村人たちの集団労働により
運河を掘って運んだという。実際の建築工事以外にも多くの費用と労力と時間が割かれているのだ。
漆喰壁の中には細い竹のような草の茎が密に編みこまれていた。
レンガは中国風のものでなく、220x110x60と日本のレンガに近い寸法のものが使われている。
時代が古いためタイルはなし。他の装飾も比較的少ない。
平面構成や雨水の流路などが風水に基づいているのはもちろんのこと、尺寸の決定も風水によって縁起のよい数字が
採用されているとは驚いた!風水は奥が深いなぁ~!台湾民居も面白い。
さてそろそろ士林へ向かおう。
結局お昼を食べ損ねているな。。。MRTの士林駅から歩きながら、タピオカミルクティーで小腹を満たす(笑)
徒歩5分ほどで士林官邸公園に到着。この敷地内に官邸があるようだ。夜市には来たことがあるがこの建物のことは
これまで知らなかったな(汗)。公園は観光バスも乗りつける一大観光地になっている。
公園の入場は無料。歩いていくと、「慈雲亭」という展望台への案内矢印が出ていた。ちょっと行ってみようか。
しかし・・・森の中へ入り込む石段は結構急勾配でめちゃキツイ!!ゼイゼイ・・・あぁやっぱりやめとけばよかったかな(苦笑)
少し上ると展望台が見えてきた。ふぅ~~!石段が終わったところでひと息ついたとき、目に飛び込んできたものは、
シンガポールのブキットブラウン墓地で見たような、亀甲墓。それがひとつだけぽつんと、展望台の
手前にあった。
あっ、と思って見に行くと、やっぱりあった!!マジョリカタイルがお墓の前面に貼られているじゃないの!!
さっきまでの息切れはどこかへ飛んで行った(笑)
日本製のマジョリカタイルだ。他の観光客が慈雲亭へ上っていくのを尻目にひとり喜んでお墓の写真を撮っているところに、
Tさんが登場。おぉ~、来たね!!台北故事館から士林官邸へは中山橋を渡ってすぐ、タクシーで5分だったとのこと(笑)。
うまく合流できてよかった~~
慈雲亭は1963年に造られたRC造の二階建てのあずまや。一応上ってから別の小道を歩いて官邸の方へ向かう。
朝一度家に帰った友人も再びやって来て3人で士林官邸を見学。
士林官邸は1950年に建てられ、蒋介石前総統が1975年に亡くなるまで26年間住んだ巨大な洋館邸宅。
外観が黒っぽい色なのは防空色なのだろうか。
官邸内部は写真撮影禁止。え~、入場料100元と結構するのに、それは残念。。。
日本語の案内ガイド機器を借りて部屋ごとに説明を聞きながらゆっくり見学。夫妻のプライベート生活の様子が
親しみを込めた調子で語られる。
建物は完全な西洋スタイルで生活も西洋式だったようだ。家具などのインテリアは中国風のものも取り入れてられている。
夫人は大変有能な人だったらしく、インターナショナルで多趣味で、絵の才能はプロ級。邸内のそこここに直筆の絵が飾られていた。
部屋数も多く、当時の超セレブな暮らしがありありと想像できる展示は見ごたえがあった。
そのあとは広い公園内に点在する建物を見に行こう。官邸公園は1996に初めて市民に開放されたので、
当初の自然景観を完全に残しているという。
こちらは1950年築の凱歌堂、チャペル。夫妻はキリスト教信者だった。
エントランスにモザイクタイルが。
こちらの園芸館は総督府の園芸試験所だったとか。
蒋介石夫妻の好きな花々が植えられた西洋風の広い庭園は、今も美しく手入れされており、台北市内随一の花の名所と
して人気だという。温室とバラ園もあるらしいが疲れてきたので中へは入らず、予約してある夕食の店へ向かうことに。
これはセメントレンガか、鉱滓レンガだろうか。
官邸公園の森の陰に静かに佇む日本風の家屋。玉石積みの門柱が素敵だなぁ。人が住んでいる家は古くても美しく保たれている。
続く。